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『ふしぎの植物学』植物の“ふしぎ”“しくみ”の話題満載。ひとつひとつがナルホド!面白く読める。花好き、植物好きな方お薦めです。

■ふしぎの植物学■


背表紙副題に「身近な植物の知恵と工夫」とある。
なにげなく見過ごしている植物の“ふしぎ”、あたりまえと思いこんでいた植物の“しくみ”そんな話題満載で、ひとつひとつがナルホド!であり面白く読める。花好き、植物好きな方お薦めです。

□ なぜ葉は【緑】?

□ 陸地からの【蒸散量】の96%が植物から!

□ 発芽時に【光】を必要とする自然界の植物と、必要としない栽培植物、なぜ?

□ 水不足に合わないよう、発芽前に確認する知恵をもった【種子】がある!

□ 【イネ】の穂が出る前に水田の水を抜く『中干し』には、理にかなった目的がある!

□ 暑い昼間の【水やり】は、土中の水分までも蒸散させてしまう!

□ 花、実の色は、【活性酸素】から身を守るための物質を含んだ結果!




★詳細はこちら↓
ふしぎの植物学

ふしぎの植物学

価格:798円(税込、送料別)

田中修(たなか・おさむ)著
2003.07.25. 発行
中公新書 1706 


★★★☆☆ 難易度
★★★★★ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★★☆ 保存版
★★★★☆ 編集、構成
★★★★★ 総合評価





 ◆《感銘・共感・知見の一文》◆

◎「葉はなぜ緑色なのか?」P21
光の波長と透過率のグラフがある。青色光、赤色光は葉に吸収されるため透過しないことが分かる。
★ 【遠赤色光】は【緑色】以上に吸収されないが、人の目には感知されないため【緑色】に見えることになる。

◎「発芽に【光】は必要か?」P25
種子は、適当な【温度】、【水】、【空気】の3つの条件がそろえば発芽する。実はこの条件で発芽するのは【栽培植物】。
自然環境で生きる植物は、【光】も必要になる。発芽後に【光】があることを見極めないと、その後の成長ができないため。
【栽培植物】の場合は、必要な【光】は人間により与えられるところがポイント。
★身近な植物で、発芽時に【光】を必要とするものは、【シソ】【ミツバ】【レタス】【ツキミソウ】など。
 【赤色光】で発芽が促進され、【遠赤色光】で抑制される。【遠赤色光】の暗い環境では、光合成ができないことを感知している。

◎「植物と水の関係」
 「陸地からの蒸散量の96%は植物から」P49
大気中の水蒸気は、地球の表面からのものと植物の蒸散によるものがある。海は地球表面の71%であり、水蒸気量は【88%】程度。残る【12%】が陸地からの水蒸気、このうちの【96%】が植物からの蒸散。
葉の温度が上がりすぎないよう、蒸散による気化熱を利用し葉の温度を下げている。(★583kcal/g)
 「水のほとんどは体温維持」P68
植物にとって“水”は大切であるが、ほとんどは蒸散による体温維持に使われる。光合成に使われる“水”はごく僅か。
 「暑い昼間の【水やり】は、土中の水分までも蒸散させてしまう」P75
暑い最中に水を撒くと、土中の水分が【毛細管現象】により引き上げられて、撒いた水とともに蒸散してしまうことがある。
なんのための【水やり】だか、わからなくなってしまう!

◎「種子は発芽後に水が不足しないかを知る技をもつ」P64
ひとたび発芽を始めれば、後戻りはできない種子にとって、水の確保ができるかどうかは生死にかかわる。乾燥地帯の植物の種皮には、発芽を阻害する物質を含み、多量の雨で阻害物質が流されると発芽する。種皮が硬い種子、厚い種子は、空気や水が透過しないため発芽しない。
酸素を透過しない【オナモミ】、水を透過しない【クローバー】がその例で、種皮が【微生物】により分解されると発芽する。
 【微生物】がいることは、水分が十分で土壌も肥沃という裏付けになる。種皮が硬いことは、適切な場所で発芽する仕組みである。


◆《ポイントひろい読み BEST 5》◆

○【ヘルモントの実験】P2 
400年ほど前に、ベルギーの医師ヘルモントの行なった実験。
鉢植えの植物が、水だけで大きく育つことが不思議に思われた。育える前に、樹の重さ(ヤナギを使用)、鉢のなかの土の乾燥重量を計測し、5年後に重量を比較した。5年間に与えたものは水だけ、落葉した葉の重さも加えて比べると、ヤナギは30倍以上の重さに成長していた。土の重量はほとんど変わっていない。とすると、ヤナギは水だけで成長したと考えた。素朴な疑問の正解を出すことはできなかった実験。

○「世界一背の高い植物の先端まで水を届ける仕組みは?」P52
約110M の高さの【ジャイアント・レッドウッド】(セコイヤの仲間)がカリフォルニアにある。
根が“水”を押し上げるだけでは、とても届かない。葉から蒸散することで、細い道管内を切れ目なくつながっている“水”分子の【凝集力】(強く結びつく力)により引き上げられる。
★ホントだろうか?道管内で切れ目を生じている水も、樹の頂上へ届く事例もあり、決定的な回答がでていない。未解決問題の一つ!

○「芝生やイネの【根】を発達させるテクニック」P55
【芝生】の根を強く張り巡らせるには、4^5日水を与えず乾燥させ、枯れる寸前に与えるとよい。水が不足する条件で、植物は水を求め、根をどんどん発達させる。この繰り返しで、たくさんの強い根を生やすことになる。
【イネ】も同じように、穂が出る前に水を抜き『中干し』を行うことで、根を巡らし実りの秋に穂を支えられるようになる。

○「【イネ】と【ムギ】の根の違い」P59
【イネ】は水田に育つがここに利点がある。水は温まりにくく冷めにくいので、温度変化が少なく、夜間も暖かな温度を保てること。養分が水に溶けるため、養分の供給が保たれること。そして水不足になりにくいことである。しかし【ムギ】は水田では育たない。
根の構造に大きな違いがあるためで、【イネ】には酸素を供給するための間隙が茎や根に発達している。【ハス】の根を見れば、空気が供給されやすいことがよく分かる。【イネ】の根も断面を確認すると間隙の発達していることが確認できる。

◎「光合成の違いによる生産量の差」 ★Keyword=【C3植物】【C4植物】【CAM植物】
◆【C3植物】P93
植物の90%以上は【C3植物】で、【CO2】を摂り込み最初にできる物質の炭素数が3つあることに由来。
【PEPカルボキシラーゼ】をもたないため【CO2】を摂り込む能力が少なく【CO2】不足が起る。そのため、【光エネルギー】を有効に使いこなすことができない。晴天の日中で【約1/3】程度を使っているにすぎない。
【光合成】により、植物体が乾燥重量で1グラム増えるためには、500^800グラムの“水”が必要となる。

◆【C4植物】P92
【PEPカルボキシラーゼ】と呼ばれる酵素を使い、低濃度の【CO2】でもよく摂り込んで【光合成】をする植物。
【PEPカルボキシラーゼ】は、【PEP=ホスホエノールピルビン酸】と【CO2】を結合させる酵素で【CO2】濃度が低くなってもよく吸収できる。
この植物が【C4植物】で、【CO2】を摂り込み最初にできる物質の炭素数が4つあることに由来する。【気孔】を大きく開かなくても不足なく【CO2】を摂り込め、蒸散量が少なく【光エネルギー】を無駄にすることもない。
★【C4植物】は、植物体が乾燥重量で1グラム増えるために、250^350グラムの“水”で賄える。(【C3植物】の約1/2)

◆【CAM植物】P72
乾燥地では【気孔】を開いて【CO2】を取り込むとき、同時に体内から【水分】が失われてしまう。そこで、太陽の沈んだ涼しい夜間に【気孔】を開き、【CO2】を吸収し体内に貯蔵する。そして、太陽エネルギーが得られる昼間に、貯蔵していた【CO2】を取り出して【光合成】に利用する。
【ベンケイソウ】【サボテン】【アナナス】など乾燥に強い多肉植物に多く、26科500種が知られている。
★【CAM】は、ベンケイソウ型有機酸代謝(Crassulacean Acid Metabolism)の頭文字。
★【CAM植物】は、植物体が、乾燥重量で1グラム増えるために 50^100グラムの“水”で賄える。



◆《チェックポイント BEST 3》◆
ここは少し上級編、ひろい読み編が気に入ったら次はこちらで、チョット深読みしてはいかがでしょうか。

○「植物は太陽エネルギーの何%を利用しているのか?」P15
植物が、地表に到達する全太陽エネルギーをどんなに効率よく利用しても、わずかに【0.12%】。
そしてここから、光合成で【ブドウ糖】や【デンプン】を生産している。
科学技術が進歩したとはいえ、人類は水と二酸化炭素を原料に太陽エネルギーを使って【ブドウ糖】や【デンプン】をつくることはできない。
しかし、動物は植物の光合成がなければ、生きることができない。
しかも人口は、西暦元年2.5億人から1999年には60億。増え続ける人間をどこまで養えるだろうか?
★世界人口が倍になるのに要する年数
西暦元年--------2.5億人
1600年ころ------5億人
1800年初頭----10億人
1925年---------20億人
1975年---------40億人
2倍になるのに要する年数は、1600、200、125、50年とどんどん短くなっている。
1960年に約30億人その後39年で2倍の60億人となった。

○「【気孔】の数は?」P19
1cm2あたり多いものでは約10万個もある。気孔分布例から主なものをひろうと、
ヒマワリ----------101・218(表・裏)
ジャガイモ---------51・161
トウモロコシ--------67・109
コムギ------------43・40
スイレン----------460・0
ポプラ-------------20・115
アオキ--------------0・145
カシ----------------0・1192
サクラ--------------0・249
草本類と木本類でずいぶん違う、またスイレンは水面にあるので、表面に集中しているのも納得である。

○「【紫外線】から身を守る植物の工夫」 
            ★Keyword=【活性酸素】【カタラーゼ】【スーパーオキシドディスムターゼ】 P90
【紫外線】は、植物細胞に入り込み【活性酸素】をつくりだす。この【活性酸素】に対抗するのが【カタラーゼ】【スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)】などの酵素、ヒトの体にも存在する。
植物特有の【抗酸化物質】には、【ビタミンE】【ビタミンC】【カロチン】【アントシアニン】【リコペン】などがある。
★花、実の色は、【活性酸素】から身を守るための物質を含んだ結果で、きれいな色で【紫外線】【活性酸素】から身を守っている。 
★【カタラーゼ】
抗酸化酵素で、活性酸素の一つである【過酸化水素 (HOOH)】を酸素と水とに分解する反応を触媒。動物では肝臓・赤血球・腎臓に、植物では葉緑体に多く含まれる。
★【スーパーオキシドディスムターゼ (Superoxide dismutase=SOD)】
抗酸化酵素で、活性酸素の一つである【スーパーオキシドアニオン (・O2-) 】2分子間で電子を受け渡し、酸素分子と過酸化水素分子にする反応を触媒。




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Dr.kusaichi

Author:Dr.kusaichi
日頃より、身近な科学に興味があり、新書などいろいろ読み漁り、また読み耽っています。
そんな中から、選りすぐりのお薦め書籍をご紹介します。

植物の本、昆虫、小動物、菌類からウィルスまでいろいろ登場予定。
科学の本 身近で分かりやすく、肩の凝らない本が中心。
最近話題の本も登場、その他 私の勝手にいろいろ出てきそうです。
気軽に楽しんでいただけると幸いです。

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