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【食料自給率】に見え隠れする利権、つくられた数字、内在する意外な事実を暴露する。『日本は世界5位の農業大国』知り得なかった内情を暴く刺激的な一冊。

■日本は世界5位の農業大国■

本書を読むきっかけは『はじめに』に記された意外な事実!
農業を語るとき、“日本の農業は弱い”という間違った前提で語る潮流がある。国内農業生産およそ8兆円の日本は、世界5位の農業大国であるという。経済大国であるがゆえ、消費者の多様化するニーズに応える経営により、農業は産業として成長してきた。スーパーに並ぶ農産物の大半は国産。量、質ともに問題はなく、生産過剰が現実。と著者。

“日本の農業は弱い”という思想は、農水省と政府が掲げる【食料自給率向上政策】に起因している。この自給率の基となる数字は極めていい加減なものとして、その根拠を語る。そして、内情を暴露する。
農水省の仕事をつくるための政策、【自給率政策】がなければ、農水省の存在が危うくなるという構図が見えてくる。【仕分け】がキーワードの昨今、「ここまで切り込まないと改革できない」利権がらみで根は深いと“ツクヅク”感じる。

【食料自給率向上政策】の無意味さと、『日本農業弱者論』が事実無根であることを論じ、今後の【日本農業成長八策】を提言。少子化、マーケティング、農業ビジネス振興、農産物輸出、検疫体制、海外農場進出、などについて今後の農業のあり方を“熱く”説く。

今まで、メディアの報道から認識していた農業問題とはかけ離れた実体が見えてくる。すぐには信じがたいほどであるが、“認識が間違っていた!”ことに気がつく。そして、これからの日本の農業、“捨てたものではない!”と思わせる説得力がある。【農業政策】の実態を暴くとともに、希望と期待が持てるビジネスとして、将来像を描いていることが本書の特色である。

それにしても、報道はここへ切り込むことなく、政府と歩調を合わせ【自給率低下】の危機を煽るばかりである。政治家、農水省、外郭団体、そして報道、そろって“共犯”である。特に報道の独立性のなさ、責任のなさが露呈されているように感じてならない。自立した判断を伝える使命感、思想がない。これでは、政府お抱えの広報部門である。

久々に巡り合った刺激的な一冊。【食料自給率】【農業政策】問題、新鮮な目で見直すキッカケとなる。
お薦めの一冊。


★詳細はこちら↓
日本は世界5位の農業大国



浅川芳裕(あさかわ・よしひろ)著
2010.02.20.第一刷
講談社+α新書 503-1C


★★★☆☆ 難易度
★★★★☆ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★☆☆ 保存版
★★★★☆ 編集、構成
★★★★★ 総合評価
 


◆《感銘・共感・知見の一文》◆

◎【カロリーベース自給率】 ★キーワード=【カロリーベース自給率】 P27 
(1人1日当たり国産供給カロリー)/(1人1日当たり供給カロリー)=1,012kcal/2,473kcal⇒ 41% (2008年)
★分母の供給カロリーは、実勢値と異なることに注意!
摂取カロリーは、1,904kcal(2005年、厚生労働省)、流通された供給カロリーは、2,573kcal、この差約700kcalは?⇒ 廃棄処分、食べ残しなど、摂取しない分が含まれている。
★その量は1,900万トン、日本の農産物輸入量(5,450万トン)の1/3、世界の食糧援助量(約600万トン)の3倍にもなる。
★分子に、全国200万戸以上ある自給的な農家、土地持ち非農家の生産する大量のコメ、野菜は含まれていない。
★総世帯の5%を占める自家消費、家庭菜園の生産物、価格下落や規格外で破棄される作物(2^3割)も分子に含まれていない。⇒ 実際の生産量はもっと高いが、反映されていない。

◎【食料摂取カロリー】P29
年齢、性別を考慮し、計算すると国民1人1日に当たりの平均カロリーは、1,809kcal。この数字を当てはめると、自給率は56%

◎【耕作放棄地】 ★キーワード=【耕作放棄地】 P84
問題点の一つに、【農家数の減少】と【耕作放棄地】の増加があるため、日本農業は衰退するという主張がある。この現象は世界的で、農地が減ったにもかかわらず、生産量が増えているのは、技術向上により単位当たり面積の収穫量が増えたため。
過去10年間の減少は、日本:70万ha、フランス:54万ha、イタリア:146万ha、米国:373万ha。
★農水省は、現在でも農地の造成を続けながら、減反政策を進める。【耕作地放棄】など問題をつくることで、農水省の仕事になる。行き着くところ、1兆円の農業土木利権しかないと著者は指摘。

◆《ポイントひろい読み BEST 5》◆

○【食料自給率向上政策】 ★キーワード=【食料自給率向上政策】 P16
低い食料自給率改善のため、2008年(41%)⇒2015年(45%)目標。国民の食を確保、そのために国内農業の保護振興と輸入依存から脱却し自給率向上を実現する。

◎「自給率が上がると国民生産量が増える?」P32
国産が増えようが、減ろうがほとんど関係ないという著者。自給率を上げるなら、国産が増えなくとも、分母に占める割合の多い輸入が減ればよい。輸入が減少すれば、自給率は高まる。
★発展途上国の自給率が高いのは、輸入に回す資金がないためで、食糧不足にもかかわらず輸入できないため、自給率は高くなる。

◎「数字で比べる輸入実績」P20
 農産物輸入額(2007年)
1.米国(747億ドル)2.ドイツ(703億ドル)3.英国(535億ドル)4.日本(460億ドル)5.仏国(445億ドル)
★日本は世界一の食糧輸入国ではない。30年以上にわたり5位以内の実績がある。
 一人あたりの輸入額
1.英国(880ドル)、2.ドイツ(851ドル)、3.仏国(722ドル)、4.日本(360ドル)、5.米国(244ドル)
 一人あたり輸入量
1.ドイツ(660kg)、2.英国(555kg)、3.仏国(548kg)、4.日本(427kg)、5.米国(177kg)
 対GNP 比
1.ドイツ(2.6%)、2.英国(2.4%)、3.仏国(2.2%)、4.日本(0.9%)、5.米国(0.6%)
 国内生産額【国際連合食料農業機関:FAO】(2005年)
1位:中国,2位:米国,3位:インド,4位:ブラジル,5位:日本,6位:仏国,…13位:ドイツ,18位:英国
★先進国中では、米国(1,775億ドル)に次ぐ2位、日本(826億ドル)。農業大国日本である。

○「畜産酪農生産に対する自給率計算法」P30
畜産酪農製品の場合、実際に供給される国産飼料のカロリーに、飼料自給率を乗じて計算される。国産飼料で飼育された家畜だけが自給率の対象になる。
実際の【カロリーベース自給率】は 68%、【生産額ベース自給率】は 71%だが、農水省の自給率計算は 17%で、この数字が全体の計算に反映されている。

○「野菜の重量換算自給率」P31
野菜の重量換算自給率は80%を超えている。
野菜はカロリーが低いものが多く、国産カロリー比率は3%、摂取カロリーは1%を占めるにすぎない
。日本の農産物総生産量は1960年の 4,700万トンから、2005年の 5,000万トンへ増産。【カロリーベース自給率】が79%から40%へ半減しているのは、果物や野菜はカロリーが低いため、増えても自給率向上につながらない。

◆《チェックポイント BEST 3》◆
ここは少し上級者編、ひろい読み編が気に入ったら次はこちらで、チョット深読みしてはいかがでしょうか。

◎【生産額ベースの自給率】 ★キーワード=【生産額ベースの自給率】 P32
10兆37億円/15兆941億円 ⇒ 66%(2007年)★主要先進国で3位。著者の試算によると、1位:米国、2位:フランス、(1位、2位は100%を上回る)日本は、国内ニーズに合った作物を開発、生産。高い国産プレミアにより、高い生産額ベース自給率を維持している。。
★この数値を公表しない理由は、農水省の目的が、自給率を低いことをもとに不安を煽り世論形成し、利権を守るためと著者の解説。

◎「【カロリーベース】と【生産額ベース】」 ★キーワード=【ウルグアイラウンド】 P36
【生産額ベース】は1965年、【カロリーベース】は1983年から公表。
1983年は、【農産物自由貿易化交渉】で、輸入制限をして国内農家を保護していた時代、規制緩和を求められたことに対し、【カロリーベース】の数値で交渉すれば、輸入依存が高く、自給率が低いことを強調できた。自給率が高く見えてしまう【生産額ベース】の発表が途絶えたのは、【ウルグアイラウンド】で米の関税化合意のあと。
(現在、【米】には 778%、【こんにゃく芋】に 1706%のも高関税を課している)

◎「【小麦】【バター】に関する利権」P87 P98
◆【小麦】価格に関する利権
国際小麦価格と国内の外国産小麦価格を比較すると、2^3倍割高で、250%もの関税がかかる。国家貿易による農水省の財源確保。国際価格で買い付け、国家マージンを乗せて、政府売り渡し価格で卸す。
年間約570万トンの小麦から1,000億もの財源が特別会計として計上される。そして、この特別会計の一部が【全国米麦改造協会】【製粉振興会】の天下り団体の資金源となる、とからくりを指摘する著者。
◆【バター】価格に関する利権
2008年の【バター】品薄、1年後には大量在庫、そして夏過ぎにまた品薄、このからくりも指摘する著者。農水省の天下り団体【農畜産業振興機構】の【バター】輸入独占事業が絡む。
一次関税、二次関税、輸入差益(マークアップ)などに利権が絡み、輸入数量も制限されて、需要にすぐ対応できない。このからくりに、農水省が上納金を徴収する利権が介在し、法外に高い商品となる。





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日頃より、身近な科学に興味があり、新書などいろいろ読み漁り、また読み耽っています。
そんな中から、選りすぐりのお薦め書籍をご紹介します。

植物の本、昆虫、小動物、菌類からウィルスまでいろいろ登場予定。
科学の本 身近で分かりやすく、肩の凝らない本が中心。
最近話題の本も登場、その他 私の勝手にいろいろ出てきそうです。
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