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『コガネムシは金持ちだ』のコガネムシは【チャバネゴキブリ】だったとは!興味ある話題が多い【害虫の誕生】、なかなか面白い。

■害虫の誕生■

『害虫の誕生』という本に手が伸びる方は少ないのではないでしょうか。あえて読むこともない本と感じるのではないでしょうか。ところが読んでみると興味ある話題などが多く、なかなか面白い。そこで今回は、この本に近づきやすくなるように“ヘーェ”と“ナルホド”と思える話題をピックアップし紹介します。

『コガネムシは金持ちだ』のコガネムシは【チャバネゴキブリ】とは言われるまで知らなかった。歌は知っていても何を言っているのか意味不明の歌詞でしかなかった。一般家庭でも、食糧だのエアコンだの生活環境が良くなったための産物だった。“ヘーェ”である。

【虫送り】【駆虫札】【虫塚】など、虫との関わりある行事や風習について記述があり良くわかる。原因の分からない虫の大発生は【たたり】に他ならなかった。【虫送り】は人知を超えた原因を取り祓う行事だった。現在でも各地に残る供養塔は、虫を駆除することに対し、何らかの“殺生”を感じていたらしい。“ナルホド”である。

1920年代に、【砒酸鉛】【クロルピクリン】などの化学殺虫剤が国内で生産されるようになった。それほど昔のことではない。
アメリカで、不潔な【ハエ】根絶運動に対し動物愛護団体の抗議、日本では【ハエ取りデー】を展開し、清潔な都市を目指したことに対し寺田寅彦は生物学的観点から批判したなど、今では考えも及ばない。これまた“ヘーェ”である。

本書は、【環境史】の立場から、日本における【害虫】の歴史を解説している。ここでいう【環境史】は、「人間と自然の関係」の歴史的な展開を明らかにする分野とする。』と著者の言葉。
『「望ましい自然」の在り方を考える際には、そこに影響を与えている社会的な文脈についても議論に組み込む必要がある』と結ぶ。

★詳細はこちら↓

害虫の誕生



瀬戸口明久(せとぐち・あきひさ)著
2009.07.10.第一刷
ちくま新書793


★★☆☆☆ 難易度
★★★★☆ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★☆☆ 保存版
★★★★☆ 編集、構成
★★★★★ 総合評価
 
《お勧め対象》 

関連推薦本 「  」

◆《感銘・共感・知見の一文》◆

○「『コガネムシは金持ちだ』のコガネムシは【チャバネゴキブリ】?」P8
ゴキブリが身近な害虫となったのは、ごく最近。ゴキブリが出没する家は、食物が豊富で、冬暖かい環境でなければ定着できない。こんな環境の家が増えたのは、高度成長期以降のこと、それ以前は、豊かさの象徴で『コガネムシ』と呼ばれ童謡にも歌われた。
★なるほど、今までその意味を考えもしなかった『コガネムシは金持ちだ』(野口雨情)の由来がわかったような気になる。ゴキブリが多いことは金持ち、金が貯まる、という話は、群馬、愛知、岡山など各地に残っているという。

◎「在来種の絶滅と均質な環境」P190
科学的な駆除が普及することで、害虫防除方法は均一化され、自然そのものも均一化されていく。育種学での品種選抜は単一品種となり、地域に根ざした【在来品種】を駆逐した。同時に、多様な昆虫も【害虫】と【益虫】に線引きされ、害虫排除により均質な環境となっていった。

◎「江戸時代の人々はエコロジカルか?」P194
江戸時代の人々には、そもそも【エコロジー】【自然破壊】という発想そのものがあったわけではない。したがって、「エコロジーか自然破壊か」という二分法で歴史を評価することは、現在の目線で過去を評価し、断罪してしまうことになる。

◎「望ましい自然/望ましくない自然」P196
『この価値観には、社会的次元が入り込んでいるため、現在の「望ましい自然/望ましくない自然」という二分法が、いつの時代でも成立する普遍的なものとはいえない。したがって、「望ましい自然」の在り方を考える際には、そこに影響を与えている社会的な文脈についても議論に組み込む必要がある』
『害虫を防除する技術も、「エコロジカル/自然破壊的」という単純な二分法で評価することはできない。~技術だけを評価するのではなく、農業のあり方のような社会的次元についても考えていく必要がある』とエピローグで著者は熱く語る。

◆《ポイントひろい読み BEST 5》◆

○「【害虫】という言葉はいつから?」P10
明治初期の新聞に【害虫】の言葉はほとんどなく、辞典に登場するのも20世紀になってからのこと。
江戸時代には、農作物に被害のある虫を【蝗】(いなむし)と呼び、なかでも【ウンカ】を指していた。

◎「【虫送り】【駆虫札】【虫塚】」P24 P26
◆ 【虫送り】
室町末期に登場、現在も伝統行事として残る。夕方より松明を持ち、鐘、太鼓を打ち鳴らし畦道を練り歩き駆除を祈願。宗教的儀礼としての意味合いが強かったよう。
★江戸時代、原因の分からない虫の大発生は【たたり】に他ならなかった。【虫送り】は人知を超えた原因を取り祓う行事だった。
 【駆虫札】
江戸時代、寺社よりもとめた【駆虫札】を“田”の中に立てた。地方により1950年代まで記録が残る。
 【虫塚】
現在でも各地に残る供養塔で、虫を駆除することに対し、何らかの“殺生”を感じていたらしい。

○「都市衛生と【ハエ】」P117
19世紀以前の人々にとって、【ハエ】は“小さく、かわいらしい生き物”にすぎず、絵本『ハエ』には、「翅をブンブンいわせて歌う」と【ハエ】と赤ん坊が楽しく遊ぶ様子が描かれていた。
1910年、不潔な【ハエ】根絶運動が全米各地で始まったが、動物愛護団体の女性が「こんな無防備な生き物を大量虐殺するなんて」と抗議。
日本では、大正時代に【コレラ】予防のため【ハエ】の駆除が叫ばれ、【カ】とともに駆除の対象となっていった。1920年代には、【ハエ取りデー】を展開し、清潔な都市を目指した。しかし、寺田寅彦は生物学的観点からこれを批判している。「【ハエ】根絶は、自然界の平衡状態を乱し、予想もつかない事態を招くかもしれない」「【ウジ】は路上の動物の死骸などを分解する役割もあるのではないか」と【ハエ】を擁護。

○「化学殺虫剤の登場」P150
【除虫菊】コーカサス地方原産、1885年アメリカから種子を導入し栽培、昭和初期には世界生産の90%を占める輸出大国となる。当時は、殺虫剤として農業にも利用された。
★現在の蚊取り線香は、殺虫成分【ピレトリン】を化学合成し製造している。

◎「【DDT】登場」P148 
1949年、GHQにより【誘蛾灯】は益虫も補殺してしまい、効果がなく無用の電力まで消費するとし、代りにアメリカから持ち込んだ【DDT】の使用を奨励。【DDT】の生産が飛躍的に伸びたのは、【マラリア】と【発疹チフス】対策に採用したため。
1942年、ガイギー社の【DDT】に、【カ】【シラミ】に対し、劇的な作用のあることが確認され、大量生産が始まる。1945年、民間での利用が認められて以降、世界中の農場で使用されるようになる。発見者【ミュラー】はノーベル医学生理学賞を受賞。

◆《チェックポイント BEST 3 》◆
ここは少し上級者編、ひろい読み編が気に入ったら次はこちらで、チョット深読みしてはいかがでしょうか。

○「日本の【本草学】」P29
儒学者【貝原益軒】によって始められ【大和本草】を出版。虫は自然に発生し、“蒸し蒸し”した状態から生じることから【虫】の語源は【蒸し】という観念が一般にもあったことがうかがえる。
★虫の【自然発生説】は西洋でも同様で、19世紀半ばにパスツールが有名な実験をするまで論争されていた。
江戸末期に顕微鏡が登場したが、科学的分析とは受けとめられず、明治になっても【自然発生説】を駆逐できなかった。
西洋でも【動物裁判】として、害虫を宗教的な裁判で“破門宣告”した記録がある。(14^16世紀、被告は、毛虫、ハエ、ブドウゾウムシ、ネズミ、モグラ、ナメクジ等)

○「【生物的防除】初期の成功例」 ★キーワード=【生物的防除】 P51
1880年代、カリフォルニアで【ベダリアテントウ】導入により、柑橘類に被害をもたらす【イセリアカイガラムシ】の天敵による駆除が有名。

○「【生物的防除】失敗例」P114
1911年、台湾総督府は、【マラリア】を媒介する【ハマダラカ】の根絶目的で、ハワイから【タップミノー(カダヤシ)】を導入した。しかし、両者の生息地が大きく異なり、ほとんど効果はなく、駆除に至らなかった。
★現在日本で【特定外来生物】とされた【カダヤシ】は台湾に導入されたものを国内へ持ち込んだことが発端。



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日頃より、身近な科学に興味があり、新書などいろいろ読み漁り、また読み耽っています。
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