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歴史から気候を解読、こんな気候の時代があった!今日の温暖化に対する考え方が変わります。『歴史を変えた 気候大変動』この一冊から、温暖化の要因がいろいろ読みとれてきます。

■歴史を変えた 気候大変動■

著者は、過去の記録から、気候の変動を読み解き、教訓を学ぶべきだと主張する。絵画に描かれた雲の量、火山活動、炭素14、飢饉、コロナホールからの荷電粒子、などなど。
どれも思慮深く読み応えがある。二酸化炭素原因説一辺倒の現在の世論、温暖化の犯人を特定する前に今一度、過去の気象変動から教訓を読み取り、太陽活動には、未だ解明されていない現象があることを理解し、検証すべきではないだろうか。
温暖化を考える上で、原因と思われる多くの事象をわかりやすく解説
し、理解を深める道しるべとなる推薦書である。

「はじめに」より
『小氷河期時代の気候変動が、過去500年の重要な時代にヨーロッパを根底から揺るがしたという事実を良く理解する必要がある。~この事実はないがしろにされがちだが、~将来の気候を予測する上で、先例を提供してくれるからだ。』P11
自然環境及び短期の気候変動と人間の関係が、たえず複雑に変化してきたことを語りたい。』P14
気候の変動はゆっくりと穏やかに起るわけではない~。ある時代から別の時代に突如として変化する。』P19

★詳細はこちら↓
歴史を変えた気候大変動



ブライアン・フェイガン著
東郷えりか・桃井緑美子訳
2001.12.20. 初版
河出書房新社

★★★★☆ 難易度
★★★★☆ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★★☆ 保存版
★★★★☆ 編集、構成
★★★★★ 総合評価
 
《お勧め対象》 
温暖化の犯人が“二酸化炭素”であることを前提に危機感を抱いている方。
温暖化は本当か?…と思っている方。
歴史を通して、気候変動を知りたい方。

◆《感銘・共感・知見の一文》◆

◎「気候変動と年輪の【炭素14】」 ★キーワード=【炭素14】 P179
過去1000年間の大きな気温変動と、年輪の炭素14のレベル変化のみられる年は、ほぼ完全に一致する。活発な時期と不活発な時期は今日より明確であった。
短期の気候変動との関係は無理でも、長期の不活発な時期と小氷河時代の最盛期は関連がある。

◎「日射の減少と卓越偏西風」 ★キーワード=【卓越偏西風】 P236
日射が減ると、高緯度地方の大気の循環が弱まり、【卓越偏西風】を吹かせる低気圧が赤道側へ南下。温帯地域北部では、涼しく曇りがちな天気となり、嵐が起こりやすくなる。
★地球に吸収される太陽エネルギー量が1%上下するだけで、地上の温度は1度変わる。

◎「気候の観点から見る絵画」P277
家の様子、風景、ファッションなどから、気候を推測。フランス革命後の女性のファションは、かなり大胆に身体を露出、寒さが激しくなるにつれ、胸元も隠れるようになる。
雲にも着目、1400~1967年の6500点の絵画に描かれた雲を研究。15世紀初めから16世紀半ば、徐々に曇りがちの日が多くなり、その後、急速にすっかり雲に覆われることが判明。低く垂れこめた雲は1550年以降急激に増えるが、1850年以降再び少なくなる。

◎「太陽の影響力はいまだ解明されていない」P290
太陽は地球の気候変動に大きな役割を果たしてきたが、その影響力はいまだに謎である。
太陽内部での衝撃波、フレアや太陽風、【11年周期】の黒点活動、コロナホールからの荷電粒子など いまだ研究段階。コロナホールからの荷電粒子が、大気にぶつかり、雲の割合に影響をおよぼすというが、まだ解明されていない。

◆《ポイントひろい読み BEST 5》◆

○「大氷河時代の最後の氷河以降」P81
1万5000年がたった。それ以降、完新世(現代)を通じて、大規模な温暖化が起きている。
温暖化は初め急速に進み、1万2000ほど前に急激に寒くなった時代が1000年余り続き、その後どんどん暖かくなる。そして、6000年ほど前に頂点に達した。以降、6000年間、ほぼ現代と同じ気候が続いている。

○「過去6000年間の推移」P82
古代ローマ時代、ヨーロッパの気候はいくらか涼しく、【中世温暖期】は安定した暑い夏が長く続いた。
1310年~5世紀半の間、寒冷化し予測不能となり、急激な変化が突如として起りやすくなった。【小氷河時代】

◎【小氷河期】P83
専門家の多くは、1300年に始まり、1850年ころ終わるとしている。グリーンランド周辺に最初に氷河が前進したのは13世紀初期。1315年から16年の激しい雨と大飢饉が、ヨーロッパ各地で予測不能な時代の始まりを告げた。

○「マウンダー極小期」 ★キーワード=【マウンダー極小期】 P177
1890年代に、天文学者のF.W.G.シュペーラーとE.W.マウンダーが、17世紀末から18世紀初めに黒点活動のない時期があったことに注目。黒点活動が 1645~1715年の70年間ほとんど見られなかった。それ以降、「マウンダー極小期」として知られるようになる。

○「黒点活動と【炭素14】」 ★キーワード=【黒点活動】 P178
太陽活動が活発で、黒点活動が最大になると、地球に入る宇宙線が阻まれ、炭素14のレベルが減少。⇒年輪に含まれる炭素14も減少。黒点活動が減少すると、地球への宇宙線が増し、炭素14のレベルも上昇。
1100~1250年に減少⇒黒点活動がピークになったことが分かる。【中世温暖期】

◆《チェックポイント BEST 5》◆
ここは少し上級者編、ひろい読み編が気に入ったら次はこちらで、チョット深読みしてはいかがでしょうか。

○「グリーンランドの【アイスコア】」P89
氷冠から2つ採取、【重水素のアイソトープ量】で気温の変化を特定。量の変化が少なければ、気温が低かったことになる。

◎「火山活動」P91
小氷河期の気温推移で、異常に寒かった年の気温下降は、必ずというほど大噴火と関係している。
1815年の『タンボラ山』もその一つで、1816年は『夏が来ない年』と言われた。
17世紀には、火山活動が活発に起る。この時代の激しい気候変動はこれが主因。

・「17世紀の【火山大爆発】」P154
1600年2~3月、ペルー南部『ワイナプチナ火山』

・「1812~17年の3度の大噴火」P236
1812~17年、カリブ海『スーフリエール山』
1814年、 フィリピン『マヨン山』
1815年4月、ジャワ島東『タンボラ山』★過去1万5000年間で最大規模

・「その他の火山大爆発」P233
1883年、ジャワ島西 『クラカタウ島』★火山灰のベールの厚さを測る基本指数。
1980年、ワシントン州『セント・ヘレンズ山』
1991年、フィリピン 『ピナツボ山』

○「【ジャガイモ】の歴史」P163
1570年ころ、スペイン人により、南アメリカからヨーロッパへ初めて伝える。
1846年、【ジャガイモ疫病=レイト・ブライト】により、ジャガイモ壊滅。
1848年、7月の長雨で【ジャガイモ疫病=レイト・ブライト】が発生し凶作。
100万人が移民、150万人?が餓死。★大飢饉発生。

◎「偶発的低体温症」 ★キーワード=【偶発的低体温症】 P200
ヒトは体温が冷えると、血圧が上がり、脈拍が速くなり、身体が震え続ける。
(筋肉を収縮することで、体温を上げようとする自律反射)
酸素とエネルギーの消費が高まり、温かい血液が、主に身体奥深くの生命維持に不可欠な部分に流れる。心臓は強く打ち、体温が35度以下になると震えは止まり、さらに体温が低下すると、血圧、心拍が下がる。やがて心停止により死亡する。

○「火山灰のベールの厚さを測る基本指数」P236
『クラカタウ山』の爆発をもとにした火山灰のベールの厚さを測る基本指数(1883年を1000として)
1811~18 ⇒4400
1835~41 ⇒4200
となり気温が低下した。



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Author:Dr.kusaichi
日頃より、身近な科学に興味があり、新書などいろいろ読み漁り、また読み耽っています。
そんな中から、選りすぐりのお薦め書籍をご紹介します。

植物の本、昆虫、小動物、菌類からウィルスまでいろいろ登場予定。
科学の本 身近で分かりやすく、肩の凝らない本が中心。
最近話題の本も登場、その他 私の勝手にいろいろ出てきそうです。
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