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『生物多様性を考える』“考えさせれれる”生物多様性。具体的事例に内在する課題がよくわかり理解が深まる。是非読んでいただきたいお薦めの一冊!

■生物多様性を考える■ (3月新刊)


『【生物多様性】という言葉は、極めて漠然としたもので、厳密に定義できるような代物ではない。矛盾も内在し、語る人により時に背反する』『内実はあいまいで、“多様性”という言葉だけが独り歩きしている』《はじめに》に著者の指摘がある。

私も常々感じていたところ。【生物多様性】という言葉は良く使われるが、解釈はまちまちで、この分野について生物学者が書き下ろした一般書がほしかった。【生物多様性100問】をブログUPした直後に見つけたことも、私にとってタイムリーな一冊。

読み進めると、【生物多様性】に内在する矛盾点や利権、ご都合主義、政治など気になっている事例の記載がある。“正に我が意を得たり”と感じつつ一気に読んでしまった。題名通り“考えさせれれる”【生物多様性】。具体的事例に内在する課題が見えないと理解が進まない。複雑系は、見えていない系や思わぬ系が絡み合い、思惑通りに“コト”は進まない。
是非読んでいただきたい一冊。お薦めです!



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価格:1,365円(税込、送料別)

『生物多様性を考える』
池田清彦(いけだ・きよひこ)著
2012.03.10. 初版
中公選書 009



★★★☆☆ 難易度
★★★★★ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★★☆ 保存版
★★★★★ 編集、構成
★★★★★ 総合評価






◆ 感銘・共感・知見の一文 ◆

◎「人により異なる【生物多様性保全】」P105
・“好み”“情緒”“利権”など個人の都合で、特定の種や生態系を守ることと考えられ勝ちだが、矛盾も内在する。
 守りたいのは、自分に都合よい生物多様性:都合の良し悪しに基準がないことが問題
・【ブラックバス】はゲームフィッシングする人、それを商売にする人には都合よく【ワカサギ】を食い荒らされる漁協には都合が悪い。
・【ワカサギ】も漁業振興目的で、移入された“外来種”。もとは北海道と日本海と東北太平洋沿岸の魚。大正、明治時代に各地の湖へ移入された。
・【ツキノワグマ】は【RDB:レッドデータブック】の絶滅危惧種になってよいはずだが、毎年数千頭が捕殺される。※地球レベルでは絶滅危惧II類(VU)、全国レベルでは絶滅のおそれのある地域個体群(LP)
 何が良いかは個人差があり、これの調整は“政治”であり、政治問題となる。

◎「ポール・エーリッヒの【リベット論】は嘘」P113
『絶滅により種を失っている現在の生態系は、リベットを落としながら飛んでいる飛行機と同じで、いずれ墜落する』とする説。
★「“CO2排出を続けると地球温暖化で大変なことになる”と同等のホラーストーリー。科学者が素人を騙す際の常套手段」であると著者の指摘。
「生態系自体が異なる生態系へと変わることはあっても機能し続ける。物質循環、エネルギー循環が止まらない限り消滅することはない」「1種の害虫もマラリア原虫も絶滅できない人類が、すべての生物種を絶滅させることができないのは自明」と著者らしい表現で否定している。

◎【遺伝子汚染】 ★Keyword=【遺伝子移入】P137
・【オオサンショウウオ】⇔【チュウゴクオオサンショウウオ】
・【ニホンザル】⇔【タイワンザル】
在来野生種の遺伝子構成が、人間活動により外来種と交雑することを一種の環境破壊としてとらえた原理主義的な批判表現。中立的表現として生物学的には【遺伝子移入:introgression】と表現される。
異所的隔離されていたため遺伝子組成が異なるが、容易に交雑が生じるということは、本質的違いはなく同種である。しかし、在来種保護のため、原理主義的に交雑種の排除を訴える生物多様性保全者もいる。
★地域個体群の【遺伝的特異性】は失われるが、種は変わらないのだから【種多様性】【生態的多様性】は保たれる。
★交雑することで種の【遺伝的多様性】は増える。一般に、地域個体群の【遺伝的多様性】は低く、絶滅確率が緩和されると考えれれる。
≪地域個体群の【遺伝的特異性】を尊重し、交雑を防ぐことが保護と考えていたが、【遺伝的多様性】が増え絶滅確率が緩和されると指摘がある≫



◆ ポイントひろい読み BEST 3 ◆

◎「【生物多様性】3つの概念」P23
【種多様性: Species Diversity 】
・学名が付いている生物は200万種ほどで、この5倍から50倍ほど棲息していると推測されるが“どんぶり勘定”とある。熱帯雨林の樹冠、深海の生物種も精査されていない未知の領域があること、バクテリアの種なども良くわかっていない領域。
『生物種に関しては、分かっていることよりわかっていないことの方が多い』と著者。
≪この状況で、どうして人が【種多様性】を語れるのだろうかと疑問になる?≫

【遺伝的多様性:Genetic Diversity】
・生物の形質は、ゲノムを含む“形態形成システム”によるとする立場から、遺伝的多様性は重要であるが、“遺伝子をコントロールするシステム”についての洞察も欠かせない。
・個体数がある限度以下になると、絶滅する確率が高くなる。(近親交配が増えると、劣性遺伝子が“ホモ”になり発現する可能性も増えることが考えられる)
・ヒトは70億存在するが、個体間のDNA配列の差異は0.1%程度、チンパンジーは20~30万頭いるが遺伝的多様性はヒトの4倍ほどもある。遺伝的多様性の高さと、現在の繁栄は必ずしも相関していないが、一般的には【遺伝的多様性】が高いほうが絶滅の確率は低いといえる。

【生態的多様性: Diversity of Ecosystems】
・環境条件ごと様々な【生態的多様性】があるが【生物多様性】の中で一番わかりにくい部分。連続的に存在するため厳密に分けられない。また、どれほどの生態系があるか知る由もない。
・機能面では「生産者」「消費者」「分解者」に分けられ、主に太陽エネルギーが生態系を循環する。
・38億年前に出現した【独立栄養細菌】、28~27億年前に【シアノバクテリア】、21億年前に【真核生物】が出現、【多細胞生物】出現は、約6億年前(エディアカラ動物群)。その後のカンブリア大爆発での生物の多様化、デボン紀に生態系の多様性が進み、基本的な生態系の構造や機能は現在とほぼ同等になる。

◎「生態系の恒常力と攪乱」P74
・極相に達した生態系は、恒常力を有するが、他から侵入してくる生物の攪乱を受ける。近隣生態系と連続する生態系ほど攪乱を受けやすい。
・海洋生態系は特に近隣生態系とのつながりがあり、絶えず生物が侵入する結果として、攪乱に対しての抵抗力、復元力が強いとされる。

◎【ホワイトリスト方式】 ★Keyword=【ホワイトリスト方式】 P157
・現在の【外来生物】規制は【ブラックリスト方式】で、輸入禁止の生物を特定している。この方式の欠点は、リスト以外の【外来生物】が移入され問題が生じた場合、急遽追加されることになり、後手対策。
・【ホワイトリスト方式】は、移入されても問題のない【外来生物】をリストアップ。問題になる【外来生物】を移入しない点で優れた方式。



◆ チェックポイント BEST 3 ◆

◎「種の本質は存在しない?」P28
・リンネの時代に『種』は不変と考えられていたが、“進化”を受け入れることにより、不変ではなく別種へと変わると考える必要が生じてる。
・『種』の進化が、不連続であれば“安定種”として存在論として定義できるが、『種』が漸進的に進化するとなると、時間を遡ることで連続的になり分けることができい。そのため存在論的定義はできなくなる。
・エルンスト・マイアの定義は「『種』とはその構成員が自然条件化下で自由に交配でき、他の集合体から生殖的に隔離されている集合体」
★この定義は、物理的特性ではないため『種』の本質ではなく性質についての記述。

◎「異所的種分岐する場合」 ★Keyword=【異所的種分岐】 P29
同種の生物でも、地理的隔離分布するものがある。外見に違いがあれば【亜種】とされるが、これが同種内の地域個体群なのか別種なのか厳密な判断ができない。
「地理的隔離が生じ、長い時間の経過後に【異所的種分岐】が起こる」とする【ネオダーウィニズム】の考え方は間違いで、「【異所的種分岐】する場合でも別種になる変異点があり『種』は不連続に進化する」と説く著者。

◎【亜種】 ★Keyword=【亜種】 P61
・地域的隔離が長く続くと、遺伝子組成も差異が生じ、地域個体群間で外観に違いがあれば【亜種】と呼ばれる。しかし、同種内の地域個体群を【亜種】と呼ぶ生物学的根拠はない。
・【イノシシ】は世界に1種であるが、30~36【亜属】に分類する考え方もある。【ニホンイノシシ】も形態的には見分けがつかないが、東と西で遺伝子組成がかなり違うため【亜種】に分けることもある。
【亜種】は『種』のなかの多少の遺伝的変異を有する種であり、真正の分類群ではない。



hierarchyhierarchy 上から積めない積み木の話 hierarchyhierarchy

中国産のトキは“外来種”。現時点の生態系も、絶滅したトキが生息していた当時とは違っている。生態系のピラミッドは、下から積み上がるもので、上位に位置するトキをいきなり移入して、上下がうまくつながるだろうか。

下に置かれる積み木により、上は微妙な位置取りになる。同じことを繰り返しても形は異なり、頂点の位置も違ってくる。トランプでつくるピラミッドも同様で、上から始めるなど無茶な話。これと同じように思えるのだが?…

草原や田んぼの保全など、下部から始めなくては無理ではないだろうか。人の寿命に比べ、10倍以上生きる樹木と100倍以上の時をかけてつくられた生態系をいきなりつくるような話。生態系の時間に対して、あまりに早急で気の短い時間感覚。

“人為的”時間ではなく“生態的”時間で考える必要があるのではないだろうか。



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Dr.kusaichi

Author:Dr.kusaichi
日頃より、身近な科学に興味があり、新書などいろいろ読み漁り、また読み耽っています。
そんな中から、選りすぐりのお薦め書籍をご紹介します。

植物の本、昆虫、小動物、菌類からウィルスまでいろいろ登場予定。
科学の本 身近で分かりやすく、肩の凝らない本が中心。
最近話題の本も登場、その他 私の勝手にいろいろ出てきそうです。
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