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『植物の生存戦略』身近な植物の新たな魅力と先端の知識に接する選書。植物の理解がもう一歩深まる、お薦めの一冊です。

■植物の生存戦略■


現役植物科学者10名による10のテーマ。
『植物は“動けない”のではなく“動かない”生き方を選んだ。そして動ける動物以上に繁栄している』とある。
“動かない”生存戦略での合理性を10の話題にして語る。

それぞれ専門的で、学術的話題であるが、一般の読者に分かりやすくかみくだいて解説しているところに好感が持てる。

□ 花の形を解明した【ABCモデル】

□ 植物が陸へ進出した4億年以上前から、
   80%もの植物と共生関係にある【アーバスキュラー菌根菌】

□ 研究モデルになった植物【シロイヌナズナ】

□ 花を咲かせる仕組と【フロリゲン】探索の歴史

□ 【被子植物】の繁栄を支えた【重複受精】

など、身近に接している植物が、視点を変えた見方で、新たな魅力と先端の知識に接することができる
植物の理解をもう一歩深めたい方、お薦めです。



★詳細はこちら↓

植物の生存戦略

植物の生存戦略

価格:1,260円(税込、送料別)

「植物の軸と情報」特定領域研究班 編
2007.05.25. 第一刷
朝日新聞社 朝日選書 821



★★★★☆ 難易度
★★★★☆ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★★☆ 保存版
★★★★★ 編集、構成
★★★★★ 総合評価
 





◆ 感銘・共感・知見の一文 ◆

◎「花の形を解明した【ABCモデル】」 ★Keyword=【ABCモデル】 P78
 花の形に関わる遺伝子を、A・B・C3つに分類し説明。≪驚嘆するほどスゴイ法則!≫
花の形態が異常となる特定の変異体【ホメオスティック変異体】を使い遺伝子による発生のしくみを研究。
【シロイヌナズナ】【キンギョソウ】の研究から、萼片と花弁が雌しべと雄しべに変化する【Aクラス変異体】、
花弁と雄しべが花弁と雌しべに変化する【Bクラス変異体】、雄しべと雌しべが花弁と2次花に変化する【Cクラス変異体】に分類されることが分かる。

 《第1法則》遺伝子の組み合わせにより形成される花器官がきまる≪チョット、ややこしいが、明快!≫
・【Aクラス】遺伝子単独のはたらきで、【萼片】が形成される
・【Aクラス】と【Bクラス】遺伝子がはたらくと、【花弁】が形成される
・【Bクラス】と【Cクラス】遺伝子がはたらくと、【雄しべ】が形成される
・【Cクラス】遺伝子単独のはたらきで、【雌しべ】ができる
 《第2法則》
・【Aクラス遺伝子】は【Cクラス遺伝子】のはたらきを抑制、【Cクラス遺伝子】は【Aクラス遺伝子】のはたらきを抑制する。この2つの法則の組み合わせで花の発生を説明するのが【ABCモデル】。
各クラスの【ホメオスティック突然変異体】の置き換わり方がよく分かるようになる。

 【2次花】(花のなかにさらに別の花ができること)
花の器官は【花分裂組織】という未分化な細胞から分化。花弁、雄しべができる際、細胞が使われると同時に未分化な細胞も補充される。しかし、雌しべがつくられるときには【Cクラス遺伝子】のはたらきで補充が起らずに未分化細胞が使いつくされる。
【有限性の制御】といわれ、未分化の細胞を無限につくるのではなく、雌しべをつくった後に花の発生を終わりにする有限作用がある。【Cクラス変異体】ではこの作用がなくなるため、未分化な細胞がいつまでも残り、再度花をつくることを繰り返す。

◎種の違う植物も地下でつなげるネットワーク【アーバスキュラー菌根菌】 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・★Keyword=【アーバスキュラー菌根菌】 P155
真核生物だが、カビ、キノコとは異なり、分類学的にも独立した菌類(隔壁がなく1つの細胞に数百数千の核がある)。【宿主特異性】はなく、シダ、コケを含む80%もの陸上植物の根に共生。植物が陸へ進出した4億年以上前から、共生関係ができていたことが化石からも推測される。
菌糸を通して土中の【リン酸】を提供することが主な役割。
 共生関係のない植物は、アブラナ科、アカネ科、マメ科のルピナスなど。
 【宿主特異性】がないので、種の違う植物同士が菌糸を介して地下でつながっている【地下のネットワーク】があるようで、養分の移動や、病害の抵抗などにも係わっているという説もある。≪見えない地下にこんなネットワークがある!≫



◆ ポイントひろい読み BEST 5 ◆

○「植物と動物」P11
約38億年前………生命誕生
約 5億年前………【植物】陸上へ進出
約 4億年前………【昆虫】初の陸上生物
約3.6億年前………【両生類】陸上進出
約1.4億年前………【被子植物】陸上進出

○「植物の細胞の大きさ」P17
【植物細胞】の1辺を50μm(1マイクロメートル=1/1,000mm)とすると【動物細胞】は約10μmで、植物細胞は長さで5倍、立体で125倍となる。
【植物細胞】は大きさを維持するため【細胞壁】を堅い殻で囲み重力に耐える構造になる。
【動物細胞】は小さいため重力に耐え、しかも柔らかいので形を変えられ移動に有利となる。

○「根の重力の感知法【平衡石説】」 ★Keyword=【アミロプラスト】 P134
動物は【耳石(じせき)】(耳の中にある炭酸カルシウムの結晶)で、重力、傾きを感じている。
植物の根は【アミロプラスト】という色素体が根冠で【耳石】の役目をする。【アミロプラスト】は、デンプンをためた重い色素体で、重力方向に応じ細胞内を移動する。
≪【重力屈性】は知っていても“どうやって”が分かるとナルホド面白くなる≫

○「窒素固定」 ★Keyword=【根粒菌】【放線菌】【宿主特異性】 P143
植物が吸収できる窒素は【NH4+:アンモニウムイオン】【NO 3 - :硝酸イオン】など水に溶解している形で根から吸収。
マメ科植物の【根粒菌】 、ハンノキ、ヤマモモ、グミの【放線菌】がよく知られる。
大気中に80%存在する窒素は、2つの原子が3重結合した分子。自然界では、雷の放電で空中窒素の固定がされる。
 窒素固定できる生物は、【原核生物】の細菌に限られ、【真核生物】にこの能力がある生物はいない。
 【根粒菌】は多くの種類があるが、それぞれ種により共生できる【根粒菌】が異なる【宿主特異性】をもつ。
(エンドウはエンドウの、ミヤコグサはミヤコグサのと厳密にパートナーが決まっている)

◎「【導管】【師管】」P167
【導管】は気孔から水が“蒸散する力”と根から気孔までつながる水の分子が引き合いう“凝集力”の2つの力を利用して、根から水を引き上げている。“陰圧”により水を送り出している。
【師管】は、光合成でつくられた【ショ糖】が運ばれるため、浸透圧により周囲の細胞から師管の細胞へ水が移動し膨張する。ここで“陽圧”が生じ、液体を送り出している。
【導管】は死んだ細胞のつながりに対し、【師管】は生きた細胞のつながり、しかし、核がないためRNAやタンパク質合成ができない。
★【導管】細胞が連続してつくられる仕組みが書かれている。1つの遺伝子のはたらきによりさまざまな細胞が導管の細胞になることができるだが、仕組みはなかなかヤヤコシイ。



◆ チェックポイント BEST 3 ◆

◎「モデル植物」 ★Keyword=【シロイヌナズナ】 P38
同じ植物を研究することで、遺伝子研究が飛躍的に進歩。モデルになった植物は【シロイヌナズナ】。他に【イネ】【ミヤコグサ】がある。
植物以外では、昆虫の【ショウジョウバエ】、哺乳類の【マウス】、魚類の【セブラフィッシュ】【メダカ】など。

【シロイヌナズナ:Arabidopsis thaliana】選考理由
1.栽培しやすい(23℃程度で生育、室内の蛍光灯で生育可能、小さいので場所を取らずしかも大量に扱える)
2.【自家和合性】(同じ遺伝子どうしの交配が可能で、遺伝子研究に便利)
3.ゲノムサイズが植物のなかで最も小さい(塩基数で 1億3,000万ほど)
4.世界的研究協力体制が整備される(世界のストックセンターに突然変異体などがあり手に入る。電子化された情報にアクセスできる)
 カリフォルニア工科大学の【エリオット・マイロヴィッツ教授】が【シロイヌナズナ】を使い、花ができる仕組みを説明した【ABCモデル】をキッカケに、研究材料が【シロイヌナズナ】に移行した。
 【進化発生学:Evolutionary Developmental Biology】
略称【エボ・デボ】により、発生に関わる基本の遺伝子は、種が違っていても共通している。モデル種を研究して種間の遺伝子を比較することで、共通する基本原理が解明される。

◎「【双子葉類】【単子葉類】新しい系統樹」P74
【被子植物】は、以前【双子葉類】と【単子葉類】に分類されていたが、分子分類学が進むにつれ見直されることになる。
新しい系統図は、【被子植物】が【裸子植物】と分かれ【双子葉植物】が出現、その中から【単子葉植物】が進化したことを示している。

◎「【被子植物】の繁栄を支えた【重複受精】」  ★Keyword=【重複受精】 P99
雄から雌へ2つの精細胞が移動、1つは卵に受精、1つは隣の細胞と受精することで【胚】と【胚乳】がつくられる。この仕組みは、格段に速く受精できたこと、生物戦略的な発展性が高いことから、【被子植物】の繁栄につながった。
★「なぜ2つの精細胞の1つが卵細胞と、1つが中央細胞と選択的に受精できるのか」はいまだに解明されない謎である。




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Dr.kusaichi

Author:Dr.kusaichi
日頃より、身近な科学に興味があり、新書などいろいろ読み漁り、また読み耽っています。
そんな中から、選りすぐりのお薦め書籍をご紹介します。

植物の本、昆虫、小動物、菌類からウィルスまでいろいろ登場予定。
科学の本 身近で分かりやすく、肩の凝らない本が中心。
最近話題の本も登場、その他 私の勝手にいろいろ出てきそうです。
気軽に楽しんでいただけると幸いです。

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