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『リンネとその使徒たち』学名による命名法の創始者と鎖国令下渡来したツェンベリーなど使徒の探査に意外な事実が浮かび上がる。

■リンネとその使徒たち■


【二名式命名法】による学名が、近年の自然科学の一端を担う画期的命名法として使われている現在、創設当時の世相や【リンネ】の根本思想など意外な事実に驚かされる。【リンネ】が植物を体系付けた時代背景がまとめられ、認識を新たにさせられる一冊。

『地球創造の目的は、自然の事物を通じて神の栄光をただ人類にのみ知らしめんがためにある』【自然の体系】第10版(1758^59)。生物間や生物と環境の間のバランスを『恩寵ある神の配慮のたまもの』としていた【C.リンネ】(1707~78)に対し、自然選択の結果とした【C.ダーウィン】(1809~82)との間にちょうど1世紀の差がある。
【C.リンネ】にとって、『自然を研究することは宗教的行為にほかならなかった』と著者の解説に18世紀中頃の自然観が読み取れる。

『神がいかにこの世界を整然たる秩序ある美しいものとしてつくり給うたか』を調べ研究するため、地球規模での探査に愛弟子達が使徒として活躍することになる。多くの使徒のなかより【ペール・カルム】【ペール・フォッスコール】【カール・ペーテル・ツェンベリー】3名を選び、その探査状況と成果がまとめられている。過酷な行程、現地住民との軋轢、感染症など当時の遠征状況を垣間見ることができる。

なかでも、長崎出島に滞在した【ツェンベリー】についての記述は、【ケンペル】【シーボルト】など馴染みのある歴代の植物研究者も登場し、読みごたえある章。日本にとっての3賢人の状況も丁寧な解説があり分かりやすい。



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西村三郎(にしむら・さぶろう)著
1997.11.25. 第一刷
朝日選書 588




★★★☆☆ 難易度
★★★★☆ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★★★ 保存版
★★★★★ 編集、構成
★★★★★ 総合評価


 



◆ 感銘・共感・知見の一文 ◆

◎【自然の体系:Systema naturae】 ★Keyword=【自然の体系】 P29
1735年、初版(12ページ)。ここで、自然の3界(動物界・植物界・鉱物界)の体系化を試みた。
◆【リンネ】の根本思想
・植物において、「結実」こそが最も本質的“属性”で、これにより神が命じた如く繁栄することが理由にある。神は、この“属性”に基づき区別を定めたに違いなく、受精現象に御心が最も明示されているはずで、分類し体系化する唯一の基準である。花冠や葉、幹などは植物の本質と関係なく、これらを基準に分類することは神慮にそぐわないもので異端に他ならない。
・【リンネ】は、この体系化を通じて
『神がいかにこの世界を整然たる秩序ある美しいものとしてつくり給うたか』を証明しようとした。
『自然の謎を解き明かすべく選ばれた人間、造化のなかに秘められた神の御業と栄光を顕現するために召命された預言者』とさえ考えていた。
『自然を研究することは宗教的行為にほかならなかった』と著者の解説がある。
☆これを実現するためには地球規模での採集調査が必要で【リンネ】の愛弟子達で使徒と呼ばれる人達がここに活躍することになる。

◎【植物の種:Species plantarum】P36
1753年、全2巻(1200ページ)を出版。世界中で知られていた植物約7300種を、【二名式命名法】にて記載した初の著書。後に『植物学のバイブル』と呼ばれる重要な著作。
・動物の二名式命名が全面的に記載されたのは1758~9年刊行の【自然の体系第10版】。



◆ ポイントひろい読み ◆

○「16、17~18世紀のヨーロッパ」P5
 16世紀
・新しい時代への歴史的転換期、宗教改革の嵐の時代。
 17世紀
・不安定な気候により飢饉が頻発し疫病が流行した時代。華麗なバロック時代、輝かしい科学革命の時代と時を同じくして、魔女狩に代表される陰惨な裁判があり、不安と不信の時代でもあった。
 18世紀
・気候が回復し、解放感、安堵感に満ち人口も増えた。宇宙、自然などの新事実や法則性が明らかにされ、大航海時代に引き続く海外進出運動の到来で全地球規模の自然や文化の膨大な情報がもたらされた時代。
★過去数世紀にわたる膨大な情報を合理的に体系化し普及する必要性が増えた時代でもあり、ここに【カール・リンネ】が登場する。

○【二名式命名法:binomial nomenclature】★Keyword=【種小名】【二名式命名法】 P10
・現在世界中の生物種は、一定の形式により学名が命名される。この形式の創始者が【カール・リンネ】。
・属を表す【属名】と種を表す【種小名】を組み合わせ表現したのが【二名式命名法】で、ラテン語あるいはラテン語化して表現される。
★中世以来、ヨーロッパでは学問的著述がラテン語がつかわれた名残。学名は万国共通のため国際的に正確に同定できる利点がある。それ以前、複雑で不安定であった生物の名称を、簡潔にかつ普遍性をもった表現にすることができた。【カール・リンネ】が『近代生物分類学の父』と称賛されるほどの意義ある不滅の功績。

○「18世紀ヨーロッパの【博物学】」★Keyword=【博物学】 P13
・【博物学】の評価は今日とは全く異なり、種を見分け秩序ある系統に配列する学問は当時最高の学問として認知されていた。世は啓蒙思想の時代のなかで【リンネ】の植物分類体系は時代に適合したものと称され、晩年には貴族に列せられる。
・ルネサンス時代に端を発した【博物学:natural history】は、王侯貴族の間で「珍品収蔵庫」「珍品陳列室」を設け、自然界の珍奇な標本、異国の動植物、美しい鉱石などを陳列することが流行した時代。
・富裕な一般市民にも【博物学】の趣味が広がり、ヨーロッパ中が【博物学】にフィーバーするほどの状況となる。

○「当時の植物分類」P20 
 自然物の中で最も体系化されていなかった植物 
・動物、鉱物については古代ギリシャ、中世ルネサンスから大枠の体系化がされていたが、植物は研究者ごと見解が異なる状況。
・ジョン・ルイ(英)は子葉の数を基準に、トゥルスフォール(仏)は花の形を第一の基準とした。花冠の形は千差万別で、単子葉・双子葉の区別をしないことから、人為分類的要素が強く複雑で一般には理解し難い分類。
 知られていなかった植物の性
・当時、雄しべ、雌しべがあることは知られていたが、どのよな働きをするかは皆目見当もつかない状況。なん葯は不要物の排泄器官とみなした説もあるほど。生殖器官として理解されてくるのは、17世紀末。
・ここで【リンネ】は、植物の繁殖で重要な役割を担う「雄しべ」を基準に24綱に分類、具体的にはその数と在り処により分類した。雄しべが1本の植物は「第1綱」(カンナ・ショウガなど)、2本の植物は「第2綱」(イヌノフグリなど)と分類し、最後の「第24綱」は雄しべのない隠花植物(コケ類・藻類)とした。
次に基準としたのが雌しべの構造で、単一・二分・三分…とした。
★雄しべのか数、雌しべの数など誰にもわかる明瞭な基準により分類するため、予備知識がなくても使いこなせる体系で、「性体系:systema sexuale」「24綱体系」と呼ばれる。
☆現代では、まったくの人為分類であり、かえりみられることもない。



◆ チェックポイント ◆

○「著者が選んだ3人の使徒」
◆【ペール・カルム:Pehr Kalm】~新大陸北米へ P43~
1747年、イギリス経由で新大陸アメリカへ向け出発。
・【P.カルム】のノートには植物のほか、ウシガエル・アライグマ・リョコウバトの記載がある。

【リョコウバト:Passenger pigeon】
・北アメリカの特産のハト科の鳥で、独自の属に分類される。餌を求め大群で移動することから“Passenger pigeon:旅行鳩”と呼ばれた。
・開拓時代当初は50億羽以上もいたと推定され、大群が飛ぶと日射しを遮るため暗くなったといわれる。乱獲のため、1896年頃野生のものは絶滅し、飼育されていたものも1914年に死亡し、完全に姿を消した。
・1749年【P.カルム】は「私が味わった鳥肉の中で最上のもの」と記した感想が紹介されている。
★絶滅は、農地拡大、鉄道敷設による森林伐採、穀物を食害するために無差別的殺戮されたことが主な原因とされる。

【カルミア:Kalmia angustifolia】
・【リンネ】が愛弟子の業績をたたえ北アメリカ原産のシャクナゲの仲間に【カルム】の名を属名として命名したのが“カルミア”。

【P.カルム】がアメリカから持ち帰った有用植物
・クワ(アメリカ品種)、アメリカグルミ、トウモロコシ、ジャガイモ、イネ(野生種)、サトウカエデ、エンピツビャクシン(鉛筆材)、ヌマヒノキ、薬用ニンジンなど。これらは北欧の気候に耐え生育できたが、産業に貢献した種はなかった。

◆【ペール・フォッスコール:Pehr Forsskal】~アラビア P107~
1761年、エジプト・紅海経由で目的地イエメンへ向け出発。
・焼けつく炎天下の過酷な環境のなかで、悪性マラリアにより31歳の若さで客死する。一行6名中生還できたのは1人だけの過酷な旅となる。この悲惨な最期となったアラビア半島イエメンの土地は、「幸福のアラビア」と呼ばれ「乳と蜜の流れる幸福の国」。この地で古くから文明が栄え、富裕な国家建設がされたのは、香料の特産地であったためで、この調査が【P.フォッスコール】目的の一つ。

【乳香】【没薬(もつやく)】【ギレアデ香】など古代人が珍重した香料の特産地。
・宗教儀式に欠かせない。祭壇で焚かれた香料により礼拝者はこの世ならぬ恍惚感を覚え、また高価な香料を焚くことは神への帰依の証しでもあった。最も珍重されたのが【乳香】、刺激的な【没薬】は医薬、防腐に使われエジプトでミイラ製作時に大量に使われた。
・これら香料は、アラビア半島南西部と対岸の東アフリカのソマリア及びジプチ地方に限り生育するため、ここの住民は香料貿易を独占、なかでもイエメンには莫大な利益をもたらしていた。(B.C.8に王国は絶頂期)
★古代エジプトのハトシェプスト女王が香料を求め派遣した「プントの国」とは東アフリカのほか南アラビアも含まれるとする説がある。
★植物分類は何れも【カンラン科】に属す植物で、枝に樹脂が滲みだし、芳香が漂うという。
■用語■
■【乳香】
カンラン科ボスウェリア属の樹木から分泌される樹脂。南アラビアのオマーン、東アフリカのソマリア、インドに分布し、 樹皮に傷をつけると樹脂が分泌され、固まると乳白色になる。
■【没薬(もつやく)】
カンラン科コンミフォラ属:Commiphora(ミルラノキ属)の樹木から分泌される樹脂。没の語源は苦味を意味するアラビア語。
■【ギレアデ香】
傷​を​癒す​ため​に​用いられた芳香​性​の​樹脂​。乳香の​原料​と​なる​​木​が​ギレアデ​(ヨルダン川東岸の地名)で​特に​よく​生育​した​ことから【ギレアデ​香】として​知られる​。
■【カンラン科;Burseraceae】
APG植物分類体系ではムクロジ目、他の分類体系ではミカン目に分類される。亜熱帯から熱帯に分布。

【フォッスコーレア・テナキッシマ:Forsskalea tenacissima】
【リンネ】が愛弟子の訃報を知り【フォッスコール】の名を冠した植物は、イラクサ科の一種。tenacissimaは最も頑強なという意。見映えのしない雑草に彼の名を冠するのは故人への冒涜とも受け取られたが、不撓不屈の弟子にふさわしい不滅の記念碑であると著者。

◆【カール・ペーテル・ツェンベリー:Carl Peter Thunberg】~喜望峰~日本 P193
(★Carl Peter Thunbergは、日本語表記にいろいろあり、ツンベルク・ツンベリー、ツュンベリー、ツェンベリー、チュンベリー、などなどで資料など検索しても紛らわしいこと極まりない)
当初、喜望峰の探索を目的にしていたが、オランダ東インド会社の船に便乗し日本へも探索の足を延ばすことになる。
・1771年、喜望峰へ向け出発。~1775年、日本へ向け出発。1775年8月13日長崎へ到着。1776年12月3日まで1年4か月滞在。毎年3月に行われる江戸への参府に随行。(1776年3月4日出発)往路に50日もかかり植物や昆虫を採取の機会を得ることになる。復路に大阪の植木屋で、アムステルダムへ送る大量の植物を買い求めている。(1776年6月29日出島に帰着)
・オランダ商館付の医師として来日し『日本植物誌』(1784年)を出版。「日本のリンネ」と称される。その後も日本の多くの植物を紹介し、総計401属812種にのぼる。(★このうち26属390種を発見命名している)

 日本の鎖国
・1639年(寛永16年)の鎖国令により、幕末までの200年あまりヨーロッパ人にとって神秘の国であり続けた日本。はじめてヨーロッパに紹介されたのが、マルコ・ポーロの【東方見聞録】(1298年)。次はイエスズ会の宣教師が本部へ送った書簡(1543年)。その後、イエスズ会と関係しないオランダ人と中国人だけが長崎出島での監視下の交易に制限された。
・幕府はオランダ東インド会社(VOC)所属であればオランダ人でなくても渡来は許していたため、【ケンペル】(ドイツ人医師)、【P.ツェンベリー】(スウェーデン人)が渡来し植物収集をすることができた。

「【喜望峰界】の植物探索」P210
約14万km2(ジャワ島ほどの地域)に豊かで固有の植物相があり、6区分けされる地球上の植物界の1つ。高等植物が7000種以上で固有種が多く、7科210属を数える。フリージア・アガパンサス・ガーベラ・マツバギク・グラジオラス・アスパラガスなど。(日本は0~1科10属でしかない)
・3000種以上を採取し記録を残している。(★このうち1000種余りを発見命名している)

【エンゲルベルト・ケンペル】(日本滞在2年1か月
1690~92年にオランダ商館付の医師として来日し、江戸参府に2度随行。
・『日本の植物』に精巧な図版とともに記述しているが、【二名式命名法】以前であり、ラテン語による命名もなされなかった。
★学名として正式に命名したのは【ケンペル】の80年余り後に来日した【P.ツェンベリー】で世界に紹介し大きな功績を残す。

【フランツ・フォン・シーボルト】(日本滞在6年
【P.ツェンベリー】が1784年に完成させた『日本植物誌』は、48年後の1823年に【シーボルト】が来日した折りに紹介された。

【P.ツェンベリー】を学名に冠した植物
【P.ツェンベリー】が活躍したころ【リンネ】はかなり衰弱し、大旅行から帰還したときにはすでに亡くなっていたため、愛弟子の業績をたたえ直接恩師が授けた学名なはい。
・ほかの研究者から捧げられた学名に【ツェンベリア属】がある。以前、彼が喜望峰で採取した植物に基づき創設された属。



LINNAEUSSUEANNIL  折に触れ読み返す一冊  LINNAEUSSUEANNIL

【ケンペル】(1690~92来日)、【ツェンベリー】(1775~76)【シーボルト】(1823~28)と、それぞれ時期を隔て渡来しているが、この間の我が国はいずれも鎖国中。いやはや随分と長い間“鎖国”状態が続いていた…驚きの長さである。

その間、ヨーロッパの生物科学は【二名式命名法】により系統的にまとめられ、博物学から生物科学へと進展していた。もし、【ツェンベリー】が喜望峰探査後、はるか極東の小国まで足を延ばさなければ、日本の植物学は随分と違った道を歩んでいたかもしれない。我が国が鎖国をしていたこの時代に、植物を含めて生物探査が地球規模で展開されていたことに改めて驚かされる。それもあの【リンネ】の使徒としての探査であったことは一層感慨深い。

本書は、これら使徒たちについての状況が端的にまとめられ、当時の命がけの探査の様子がよくわかる。しかし、読み手が、なるほどと感心しているいくつもの逸話や記録は、つぶさに調べまとめた著者の大変な尽力があってのことと思われる。

'97年に選書版になってからもかなりの年月がたつが、折に触れ読み返す一冊で、読み返すほどに著者が本書に込めた想いが伝わってくる大切な一冊である。




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テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

『植物力』資源としての植物に未来の可能性を探る。遺伝子組換え技術に夢の未来を説くが有望性と危険性を考えさせられる一冊。

■植物力■
(人類を救うバイオテクノロジー)



【遺伝子組換】技術推進派の著者は
『【遺伝子組換】の優れた特性は、目的に応じた遺伝子を入れることによって、交配育種よりはるかに短期間で、目的とする品種をつくることができる点である』と高い評価をしている。
経済面からの指摘が多く、人口問題、食料問題を解決する夢の未来にも感じるが、果たしてどうだろうか?環境面、生態面の影響がどれだけ検証されるのか不安でもある。

『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一著)で「機械の時間、生物の時間」の指摘を思い出す。
「機械に時間はない」原理的にはどの部分からでもつくることができ、部品を抜き取ったり、交換できる。「生物には時間がある」内部には常に不可逆的な時間の流れがあり、流れに沿って折りたたまれ、2度と解くことのできない時間がある。【遺伝子組換】作物にこの機械的時間を感じる。突如出現するため環境に対する時間的“すりあわせ”がない。

【遺伝子組換】は有意な技術と思うが、生物への安全性、生態系への影響の面で十分検討すべき技術と思う。今後の人類にとって画期的技術であることが前面に語られているが、何度となく「ちょっと待てよ!」と感じながら読み進めた一冊。

著者は植物の持つ能力を“植物力”と称している。
【遺伝子組換】技術を駆使して、これからの人類の食糧問題解決策を解りやすく語っている。
【遺伝子組換】技術。そのまま「Yes」と思いますか? それとも…さて、どう思いますか?
【遺伝子組換】技術。その有望性と危険性を考えさせられる一冊。お薦めです。




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【送料無料】植物力

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価格:1,050円(税込、送料別)

新名惇彦(しんみょう・あつひこ)著
2006.07.25.
新潮選書



★★★☆☆ 難易度
★★★☆☆ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★☆☆ 保存版
★★★★☆ 編集、構成
★★★★★ 総合評価

 



◆ 感銘・共感・知見の一文 ◆

○「食糧増産の問題点」 P67~
 農地の砂漠化と塩害
・劣化面積の割合は、中国(30%)、インド(50%)、アメリカ(27%)、旧ソ連(70%)など世界の耕作面積24億haの35~40%に至っている。
 農作物のストレスによる減収
・高温・低温、干ばつ、洪水、紫外線や塩害、活性酸素、酸性雨、重金属そして病原ウイルス、細菌、カビ、害虫、食害など多様なストレスがある。こうした環境ストレスにより、植物は生産力の大半が失われている。アメリカでも良い条件時の収穫量に比べ、22%、開発途上国では10%程度の収穫でしかない。
★「食料増産のためには環境ストレス対策が重要であるとともに、ストレスに強い作物に品種改良することが一番有効である」と著者。

◎【ルビスコ(RuBisCO)】 ★Keyword=【ルビスコ】【カルビン回路】 P102
・光合成で二酸化炭素を固定反応を司る酵素【ルビスコ】(リブロース1.5-ビスホスフェートカルボキシラーゼ)の反応は
 C5H12O11P2(ルビスコ) + CO2 + H2O → 2C3H7O7P(ホスホグリセリン酸)
炭素数5個の【ルビスコ】に二酸化炭素が固定され、炭素数3個の【ホスホグリセリン酸】が2分子できる。そして【カルビン回路】を経て炭素数6個の【フラクトース】になる。
★炭素数5個の糖が炭素数6個の糖になるが【ルビスコ】は二酸化炭素と親和性が低い。
植物は気孔から二酸化炭素1分子を摂りこむのに水500分子も失う。乾燥地に弱い一因がここにある。そのため、二酸化炭素濃度を1000PPMに高め成長を促している温室もある。
・植物に含まれるタンパク質はほとんどが酵素タンパク質、なかでも【ルビスコ】は全タンパク質の半分以上を占める。
★二酸化炭素との親和性を高める研究がおこなわれている。
 (親和性を10倍にできれば蒸散水を 1/10に抑えられる)



◆ ポイントひろい読み BEST 3 ◆

○「年間3%の経済成長が千年続くと…ありえない経済活動」P29
・バブル以前、日本は年間3%の経済成長を目指していたが、この経済活動が続くはずのないことは明らか。
・銀行に10円を預け年利3%で千年たつと約70兆円になる。現実に目を向ければ明確で、資源も環境も持たない事態となる。
★右肩上がりの経済はいずれ破綻する指摘がある。国策に限らず企業の事業計画なども揃って成長を掲げる中で、将来の破綻が憂慮される。

◎「地球の定員」P33
 穀物消費量から試算
2000年の世界の穀物生産量は約21億トン。
・米国人並みに消費した場合、900kg/人消費する⇒ 21億トン/0.9トン/人=23億人
・欧州人・日本人は半分程度のため⇒47億人
・年間200kgのインド人であれば⇒105億人
先進国では2/3が飼料とされ、食肉生産として消費される。また、食肉生産は20世紀後半の50年間で5倍の約2.5億トンに増加している。
 エネルギー消費量から試算
石油換算で84億トン、環境を破壊しない限度の50億トンで試算。
・アラブ首長国連邦並みに消費した場合 ⇒12t/年/人⇒ 4.2億人
・米国人は 8トン/年/人⇒ 6.3億人
・欧州人・日本人は 4t/年/人 ⇒ 12.5億人
・インド人は 0.3t/年/人 ⇒ 167億人
☆環境を破壊しないで健康的な生活は1.5t/年/人とすると ⇒33億人(現在の半分程度)

◎「物資の輸入収支」P54 
2000年の日本の輸入総量は7.8億tで輸出が 1億t。⇒6.8億tがゴミのように溜まっている?
・貿易を元素の移動からみると、焼却され二酸化炭素や水になる炭素・酸素・水素は日本にとどまっていない。下水中のタンパク質やアンモニアなどの窒素も活性汚泥処理で窒素ガスとして大気に還元される。
・問題なのは、気体や液体にならないリン、金属など。毎年使われるリン酸肥料とほぼ同量のリンが、リン鉱石や食品として輸入されている。



◆ チェックポイント ◆

◎【遺伝子組換】技術  ★Keyword=【遺伝子組換】
・1970年代にアメリカで生まれた技術。
例)作物に除草剤に強い遺伝子を組み入れ除草剤散布すると、雑草だけに効果がある。トウモロコシやダイズで実用化されている。
★交配は近縁の植物間でしかできないが、遺伝子組み換え技術は種を越えて組み換え改良することが可能になる。【遺伝子組換】技術推進派の著者は『【遺伝子組換】の優れた特性は、目的に応じた遺伝子を入れることによって、交配育種よりはるかに短期間で、目的とする品種をつくることができる点である』と高い評価をしている。

◎【遺伝子組換】技術-1
◆「ストレス耐性植物」★Keyword=【コートタンパク質】 P79
・植物の受けるストレスの中で、病原ウイルス、細菌、カビ、害虫などに抵抗性ある植物は【遺伝子組換】技術で比較的簡単につくりだせる。
・ウイルス遺伝子本体は【コートタンパク質】で覆われている。【遺伝子組換】技術によりこの【コートタンパク質】の遺伝子を植物に組み込むことで、ウイルスの遺伝子の活動を抑え罹患しにくくなる。【コートタンパク質】は動植物どちらにも無害である。
・病原性のカビや細菌の細胞壁を溶かす酵素の遺伝子を植物に組込むことで植物の抵抗性を高めることができる。
(植物と微生物の細胞壁構造は異なるため、植物には無害。また動物には細胞壁がないのでこれも無害)
・植物細胞の【活性酸素】を減らすことで植物を強くする。【活性酸素】を消去するカタラーゼ、アスコルビン酸ペルキシターゼなど酵素の遺伝子を組込むことで強い光に対する抵抗力を高めることができる。

◎【遺伝子組換】技術-2
◆「除草剤抵抗性の作物」 ★Keyword=【aroA】【グリフォセート耐性遺伝子】P85
・植物のアミノ酸の生合成や光合成反応を抑える除草剤。生物体をつくる20種のアミノ酸のなかのトリプトファン・フェニルアラニン・チロシン3種はベンゼン環を持つため、芳香族アミノ酸と呼ばれる。この3種のアミノ酸生合成の初めの反応は【aroA】酵素により起こる。
・非選択性除草剤【グリフォセート】は、【aroA】に結合し生合成反応を阻害するため、植物は3種のアミノ酸を合成できず枯れてしまう。ここで、【グリフォセート耐性遺伝子】(土壌細菌から見つけられた)を作物に組込めば、雑草だけが選択的に枯れることになる。
★人は【aroA】酵素を持たない(このため人にとっては必須アミノ酸)ため、残留グリフォセートがあっても人体に影響を及ぼさない。
 2005年アメリカ産のダイズ87%、世界のダイズ60%が【除草剤抵抗性】である。
★★ スーパーの店先に並ぶ納豆はどれも“遺伝子組換えではない”と表示がある。ではいったいどこから輸入しているのか疑問である!

◎【遺伝子組換】技術-3
◆「害虫抵抗性の作物」 ★Keyword=【BT菌】 P89
・カイコの病気の原因である【BT菌】(バチルス・チューリゲンシス)を応用。
・バチルス属の細菌は、栄養状態が悪くなると胞子をつくり休眠し、状況が良くなると発芽するが、胞子をつくる際に特殊タンパク質の結晶をつくる。このたんぱく質を昆虫が食べると、昆虫の消化液はアルカリ性のため結晶が溶け酵素によりペプチド化される。これが鱗翅目の昆虫に毒性を発揮するが、人体には無害である。(BT菌には種類があり、昆虫ごとに毒性作用が異なる)
★以前から散布方式で【BT菌】【殺虫タンパク質】は利用されてきた。最初の遺伝子組込は1987年タバコでつくられた。
 2005年アメリカ産トウモロコシ26%(24%)、ワタ18%(11%)が昆虫耐性作物。( )内は世界での比率。
★★【遺伝子組換】作物に抵抗をもつ消費者が多いが、家畜飼料として輸入され間接的に多くの“遺伝子組換”作物を摂取していることになるのだが?…。

◎【遺伝子組換】技術-4
◆「家畜飼料の【フィチン】を消化し摂りこむ技術」 ★Keyword=【フィチン】 P161
・トウモロコシやダイズは、糖とリン酸が結合した【フィチン】が含まれるが、反芻動物以外の鶏や豚は消化できずに排泄される。ここに含まれるリン酸は、家畜に摂りこまれないこと、湖沼の富栄養化にもつながることなど問題が多い。そこで、酵母により【フィチン】の分解酵素【フィターゼ】を生産し飼料に添加すれば問題解決となるが、この酵素が高価である。
・酵母の持つ【フィターゼ】をつくる遺伝子を作物に組込む研究もされている。
■用語■
■【フィチン】 C6H18O24P6
植物組織内で主要なリンを貯蔵、なかでもな種子に多く含まれる。反芻動物は反芻胃内の微生物のもつ【フィターゼ】で分解できる。
反芻胃を持たない家畜(ブタ、ニワトリ)の主な飼料はダイズ、トウモロコシ。これらに含まれる【フィチン】は吸収されず排泄されるため、富栄養化など環境問題につながる。

◎【遺伝子組換】技術-5
◆「カフェイン生合成酵素」P172
・【カフェイン】に昆虫忌避作用があることを利用し、コーヒー以外の作物にカフェイン生合成酵素遺伝子を組込む方法が研究されている。1gの生葉に0.4μgで効果があることが確かめられた。
・【カフェイン】は、コーヒー一杯に数十mgが含まれ、昆虫忌避効果の1万倍以上にあたる。【カフェイン】は食品成分であり、昆虫忌避で殺虫でないことも利点で、不安感が払拭できるのではと著者の指摘がある。



◇◇◆◇◇ 既成概念 ◇◇◆◇◇

「既成概念」の意味を調べてみると
「広く社会で認められ、通用している概念」とある。いつから?誰が?根拠は?ここいらはすべて曖昧のまま”常識”の一部として疑われることもなく存在感を増すことが多い。

1.石油は本当に古代の生物由来なのだろうか? 
2.地球温暖化は本当だろうか?
3.二酸化炭素が犯人説は本当だろうか?
4.食料自給率が40%は本当だろうか?
5.地球温暖化が本当だとすると南極の氷山は融けるだろうか?

などなど一般に既成概念、既成事実として語られることが多いが、「ほんと?」と思う事柄が多い。もしこの前提が違っていれば、続く論述は意味を失う。既成概念をもとに積み重ねられた論は、概念が違えばあっけなく瓦解してしまう。

少し調べれば「あれーっ」と思うことがしばしばある。その上、調べた資料もまだまだ仮説の資料や今後訂正される資料も多い。科学知識は欠かせないが、新たな発見や認識で変わりうる知識。決して最終結論ではないということも頭の片隅に併せ持つべきであるとつくづく感じる。



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『植物の生存戦略』身近な植物の新たな魅力と先端の知識に接する選書。植物の理解がもう一歩深まる、お薦めの一冊です。

■植物の生存戦略■


現役植物科学者10名による10のテーマ。
『植物は“動けない”のではなく“動かない”生き方を選んだ。そして動ける動物以上に繁栄している』とある。
“動かない”生存戦略での合理性を10の話題にして語る。

それぞれ専門的で、学術的話題であるが、一般の読者に分かりやすくかみくだいて解説しているところに好感が持てる。

□ 花の形を解明した【ABCモデル】

□ 植物が陸へ進出した4億年以上前から、
   80%もの植物と共生関係にある【アーバスキュラー菌根菌】

□ 研究モデルになった植物【シロイヌナズナ】

□ 花を咲かせる仕組と【フロリゲン】探索の歴史

□ 【被子植物】の繁栄を支えた【重複受精】

など、身近に接している植物が、視点を変えた見方で、新たな魅力と先端の知識に接することができる
植物の理解をもう一歩深めたい方、お薦めです。



★詳細はこちら↓

植物の生存戦略

植物の生存戦略

価格:1,260円(税込、送料別)

「植物の軸と情報」特定領域研究班 編
2007.05.25. 第一刷
朝日新聞社 朝日選書 821



★★★★☆ 難易度
★★★★☆ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★★☆ 保存版
★★★★★ 編集、構成
★★★★★ 総合評価
 





◆ 感銘・共感・知見の一文 ◆

◎「花の形を解明した【ABCモデル】」 ★Keyword=【ABCモデル】 P78
 花の形に関わる遺伝子を、A・B・C3つに分類し説明。≪驚嘆するほどスゴイ法則!≫
花の形態が異常となる特定の変異体【ホメオスティック変異体】を使い遺伝子による発生のしくみを研究。
【シロイヌナズナ】【キンギョソウ】の研究から、萼片と花弁が雌しべと雄しべに変化する【Aクラス変異体】、
花弁と雄しべが花弁と雌しべに変化する【Bクラス変異体】、雄しべと雌しべが花弁と2次花に変化する【Cクラス変異体】に分類されることが分かる。

 《第1法則》遺伝子の組み合わせにより形成される花器官がきまる≪チョット、ややこしいが、明快!≫
・【Aクラス】遺伝子単独のはたらきで、【萼片】が形成される
・【Aクラス】と【Bクラス】遺伝子がはたらくと、【花弁】が形成される
・【Bクラス】と【Cクラス】遺伝子がはたらくと、【雄しべ】が形成される
・【Cクラス】遺伝子単独のはたらきで、【雌しべ】ができる
 《第2法則》
・【Aクラス遺伝子】は【Cクラス遺伝子】のはたらきを抑制、【Cクラス遺伝子】は【Aクラス遺伝子】のはたらきを抑制する。この2つの法則の組み合わせで花の発生を説明するのが【ABCモデル】。
各クラスの【ホメオスティック突然変異体】の置き換わり方がよく分かるようになる。

 【2次花】(花のなかにさらに別の花ができること)
花の器官は【花分裂組織】という未分化な細胞から分化。花弁、雄しべができる際、細胞が使われると同時に未分化な細胞も補充される。しかし、雌しべがつくられるときには【Cクラス遺伝子】のはたらきで補充が起らずに未分化細胞が使いつくされる。
【有限性の制御】といわれ、未分化の細胞を無限につくるのではなく、雌しべをつくった後に花の発生を終わりにする有限作用がある。【Cクラス変異体】ではこの作用がなくなるため、未分化な細胞がいつまでも残り、再度花をつくることを繰り返す。

◎種の違う植物も地下でつなげるネットワーク【アーバスキュラー菌根菌】 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・★Keyword=【アーバスキュラー菌根菌】 P155
真核生物だが、カビ、キノコとは異なり、分類学的にも独立した菌類(隔壁がなく1つの細胞に数百数千の核がある)。【宿主特異性】はなく、シダ、コケを含む80%もの陸上植物の根に共生。植物が陸へ進出した4億年以上前から、共生関係ができていたことが化石からも推測される。
菌糸を通して土中の【リン酸】を提供することが主な役割。
 共生関係のない植物は、アブラナ科、アカネ科、マメ科のルピナスなど。
 【宿主特異性】がないので、種の違う植物同士が菌糸を介して地下でつながっている【地下のネットワーク】があるようで、養分の移動や、病害の抵抗などにも係わっているという説もある。≪見えない地下にこんなネットワークがある!≫



◆ ポイントひろい読み BEST 5 ◆

○「植物と動物」P11
約38億年前………生命誕生
約 5億年前………【植物】陸上へ進出
約 4億年前………【昆虫】初の陸上生物
約3.6億年前………【両生類】陸上進出
約1.4億年前………【被子植物】陸上進出

○「植物の細胞の大きさ」P17
【植物細胞】の1辺を50μm(1マイクロメートル=1/1,000mm)とすると【動物細胞】は約10μmで、植物細胞は長さで5倍、立体で125倍となる。
【植物細胞】は大きさを維持するため【細胞壁】を堅い殻で囲み重力に耐える構造になる。
【動物細胞】は小さいため重力に耐え、しかも柔らかいので形を変えられ移動に有利となる。

○「根の重力の感知法【平衡石説】」 ★Keyword=【アミロプラスト】 P134
動物は【耳石(じせき)】(耳の中にある炭酸カルシウムの結晶)で、重力、傾きを感じている。
植物の根は【アミロプラスト】という色素体が根冠で【耳石】の役目をする。【アミロプラスト】は、デンプンをためた重い色素体で、重力方向に応じ細胞内を移動する。
≪【重力屈性】は知っていても“どうやって”が分かるとナルホド面白くなる≫

○「窒素固定」 ★Keyword=【根粒菌】【放線菌】【宿主特異性】 P143
植物が吸収できる窒素は【NH4+:アンモニウムイオン】【NO 3 - :硝酸イオン】など水に溶解している形で根から吸収。
マメ科植物の【根粒菌】 、ハンノキ、ヤマモモ、グミの【放線菌】がよく知られる。
大気中に80%存在する窒素は、2つの原子が3重結合した分子。自然界では、雷の放電で空中窒素の固定がされる。
 窒素固定できる生物は、【原核生物】の細菌に限られ、【真核生物】にこの能力がある生物はいない。
 【根粒菌】は多くの種類があるが、それぞれ種により共生できる【根粒菌】が異なる【宿主特異性】をもつ。
(エンドウはエンドウの、ミヤコグサはミヤコグサのと厳密にパートナーが決まっている)

◎「【導管】【師管】」P167
【導管】は気孔から水が“蒸散する力”と根から気孔までつながる水の分子が引き合いう“凝集力”の2つの力を利用して、根から水を引き上げている。“陰圧”により水を送り出している。
【師管】は、光合成でつくられた【ショ糖】が運ばれるため、浸透圧により周囲の細胞から師管の細胞へ水が移動し膨張する。ここで“陽圧”が生じ、液体を送り出している。
【導管】は死んだ細胞のつながりに対し、【師管】は生きた細胞のつながり、しかし、核がないためRNAやタンパク質合成ができない。
★【導管】細胞が連続してつくられる仕組みが書かれている。1つの遺伝子のはたらきによりさまざまな細胞が導管の細胞になることができるだが、仕組みはなかなかヤヤコシイ。



◆ チェックポイント BEST 3 ◆

◎「モデル植物」 ★Keyword=【シロイヌナズナ】 P38
同じ植物を研究することで、遺伝子研究が飛躍的に進歩。モデルになった植物は【シロイヌナズナ】。他に【イネ】【ミヤコグサ】がある。
植物以外では、昆虫の【ショウジョウバエ】、哺乳類の【マウス】、魚類の【セブラフィッシュ】【メダカ】など。

【シロイヌナズナ:Arabidopsis thaliana】選考理由
1.栽培しやすい(23℃程度で生育、室内の蛍光灯で生育可能、小さいので場所を取らずしかも大量に扱える)
2.【自家和合性】(同じ遺伝子どうしの交配が可能で、遺伝子研究に便利)
3.ゲノムサイズが植物のなかで最も小さい(塩基数で 1億3,000万ほど)
4.世界的研究協力体制が整備される(世界のストックセンターに突然変異体などがあり手に入る。電子化された情報にアクセスできる)
 カリフォルニア工科大学の【エリオット・マイロヴィッツ教授】が【シロイヌナズナ】を使い、花ができる仕組みを説明した【ABCモデル】をキッカケに、研究材料が【シロイヌナズナ】に移行した。
 【進化発生学:Evolutionary Developmental Biology】
略称【エボ・デボ】により、発生に関わる基本の遺伝子は、種が違っていても共通している。モデル種を研究して種間の遺伝子を比較することで、共通する基本原理が解明される。

◎「【双子葉類】【単子葉類】新しい系統樹」P74
【被子植物】は、以前【双子葉類】と【単子葉類】に分類されていたが、分子分類学が進むにつれ見直されることになる。
新しい系統図は、【被子植物】が【裸子植物】と分かれ【双子葉植物】が出現、その中から【単子葉植物】が進化したことを示している。

◎「【被子植物】の繁栄を支えた【重複受精】」  ★Keyword=【重複受精】 P99
雄から雌へ2つの精細胞が移動、1つは卵に受精、1つは隣の細胞と受精することで【胚】と【胚乳】がつくられる。この仕組みは、格段に速く受精できたこと、生物戦略的な発展性が高いことから、【被子植物】の繁栄につながった。
★「なぜ2つの精細胞の1つが卵細胞と、1つが中央細胞と選択的に受精できるのか」はいまだに解明されない謎である。




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Dr.kusaichi

Author:Dr.kusaichi
日頃より、身近な科学に興味があり、新書などいろいろ読み漁り、また読み耽っています。
そんな中から、選りすぐりのお薦め書籍をご紹介します。

植物の本、昆虫、小動物、菌類からウィルスまでいろいろ登場予定。
科学の本 身近で分かりやすく、肩の凝らない本が中心。
最近話題の本も登場、その他 私の勝手にいろいろ出てきそうです。
気軽に楽しんでいただけると幸いです。

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山渓ハンディ図鑑①


野に咲く花


◆【山に咲く花】 
山渓ハンディ図鑑②


山に咲く花4版


◆【高山に咲く花】 
山渓ハンディ図鑑⑧


高山に咲く花


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