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『もうダマされないための「科学」講義』 報道には危険を煽ったり、誇張、捏造、誤報も多い。科学的に判断するためのお薦めの一冊。

■もうダマされないための「科学」講義■


現代を生きるには、【科学】【自然科学】の知見が不可欠。

『特定の食品や農法について、極端にメリットばかりを強調する報道や、逆にデメリットばかりを強調する報道が日常的にあふれており、さらには誇張、捏造、誤報も多い。そうしたメディア・バイアスを放置している限り、私たちはいつまでも間違え続けてしまうだろう』(P102)
【科学】報道の捉え方、考え方に対して的確な指摘が多くわかりやすい。

特にこの一年「震災」「原発」「放射線」「内部被曝」「ゼロリスク」など生活に密着した重要問題が多く、メディアでもいろいろ報道された。なかには、危険を煽ったり誤報が混在しているものもある。【科学】を理解し知識を身につけることで、これらの報道に対し冷静な判断をしたいものである。

「はじめに」には、
『シノドス【SINODOS】⇒アカデミックジャーナリズムを旗印に、専門性・職業の垣根を越えた有志の集まる場所』とある。『日本社会を多角的に検討する知の交流スぺースとして創設したレーベル』
「あとがき」には、
『いま、科学が問われている。多様化する化学領域。ゆらぐ科学の境界。蔓延するニセ科学。解決すべき未踏の課題。そして、科学や科学者への不信の根の深化』に対し、【SINODOS】により、多角的な媒体を通して情報発信している。

各章ごとそれぞれの専門家が分筆しまとめられている。具体的事例も多く参考になる一冊。お薦めです。



★詳細はこちら↓

菊池誠(きくち・まこと)/松永和紀(まつなが・わき)
伊勢田哲治(いせだ・てつじ)/平川秀幸(ひらかわ・ひでゆき)
飯田泰之(いいだ・やすゆき)/SYNODOS編
2011.09.20.初版第一刷
光文社新書 541

★★★☆☆ 難易度
★★★★☆ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★★☆ 保存版
★★★★★ 編集、構成
★★★★★ 総合評価





◆ 感銘・共感・知見の一文 ◆

◎「科学的に見えてしまう相関関係」★Keyword=【相関関係】【因果関係】 P17 
・「平均寿命」を縦軸に、「TV保有台数」を横軸にしたグラフがある。どちらも1970年以降上昇しているため“まるで”相関があるように見えてしまう。「TV保有台数」でなくても、1970年以降増えているものを当てはめれば同じ結果になる。(例えば自動車保有台数・高速道路の総延長・海外旅行者の増加数など)
★【相関関係】はあるが【因果関係】はないところを見抜かないと、「自動車保有台数が増える」⇒「平均寿命は延びる」といった読み方をしてしまう。
・これはわかりやすい例だが、あたかも【相関関係】があることを利用して【因果関係】があるように見せかけたグラフは、科学を装う【ニセ科学】のなかにたくさん存在する。

◎「過去の報道の間違えを総括しないマスメディア」P143
・マスメディアは、警鐘・警告の記事やニュースを報道したがるが、後に「間違い報道」「過剰報道」が判明しても総括することがない。
・【環境ホルモン】問題で「精子数が減る」「女性化が進む」「子供がキレる」などいろいろ言われたが、現在、内分泌攪乱作用が確認された物質はない。
★マスメディアはどこも総括していない。結果的に科学的な間違いを修正しないまま放置している。そして、“危ない”と煽った報道をしたメディアが責められることもない。≪また新たな“危ない”記事を報道し続けることになる≫
★著者は、講演などで『マスメディアを信じるな』『わかりやすい話を信じるな!』と言っているという。専門記者を育てる体制がなく、知識レベルがわからない取材によるニュースに対して“自分で調べる”“自分で確認”することが不可欠である。≪自衛するしかない≫



◆ ポイントひろい読み BEST 5 ◆

○「グレーゾーンがある【科学】【非科学】」P27 
・【科学】とも【ニセ科学】ともつかない微妙な領域があり、線引きできないところも事実。
「科学的事実とは、再現性のある客観的事実で、現在そのメカニズムがわかっていないものも含まれる」
「科学的間違いとは、科学的手順を踏んで学説を提唱したが、結果として間違いと分かったもの」
・「証明できない【科学】」と「証明しようのない【ニセ科学】」があるため、判断が迷ったり誤ったりする原因になる。
≪科学的事実でも、古くは「地動説」「進化論」「大陸移動説」など発表当時は侃々諤々の学説だった。いまだに「進化論」を教科書に載せないアメリカの州も存在する≫

○「“微妙な科学”ニセ科学の一例」★Keyword=【マージナルサイエンス】 P48
・【マージナルサイエンス】(直訳:周辺の科学)として、効果があるのかないのか“微妙な科学”がある。
・【マイナスイオン】による健康法のブームがあった。東大医学系研究所の工学博士という肩書に権威づけられ登場した【マイナスイオン】。しかし、大気イオンは科学テーマとして研究実績があるが【マイナスイオン】は科学用語ではない。【マイナスイオン】全体では、“水”にも【マイナスイオン】は含まれ大気イオンとは関係ない。
さらに「トルマリン」という石から発生するなどデタラメな説までもが一緒になり、正しい説と怪しい説の混在、健康効果があるのかないのか納得できる結果がないため、“微妙な科学”に分類される。
★「大手家電メーカーがこの怪しいブームに乗ってしまうようであは困る」と菊池氏の指摘がある。

○「【ゼロリスク】思考と幻想」★Keyword=【ゼロリスク】
◆ 対原発 P61
“絶対安全”とされてきた原発。
行政が主張し続けた“絶対安全”は、現実に存在するリスクを説明してこなかった。また、そのリスクに対する【crisis management】をないがしろにしてきた。 その結果は、“絶対安全”を主張してきた行政、東電の信頼を失うものでしかなかった。
≪行政、東電が非難され、責任を問われているが、報道も責任を問われるべきと感じる。事前に、リスクに対する報道、警鐘を鳴らすことなく、事後、“見物報道”的な対応しかできない報道の現実に危機を感じる≫

◆ 対食品 ★Keyword=【GM作物:遺伝子組換え作物】【BTトキシン】  P115
『ある食品は安全であるはずと決めつけ、そこに【リスク】があると言われるとひたすら震え上がってしまう。リスクの大きさは?という思考に踏み出せない。この状況は、一般市民も報道関係者も同じ』と指摘がある。
★ここでも「原発事故」が“絶対安全”ではなかったのと同様の危機が潜んでいると考えずにはいられない。
≪【ゼロリスク】に近付ければ近づけるほど【コスト】が掛かる。どこを基準にするかが問われる問題で【ゼロリスク】を求めることが、いかに難しく、不可能でもあり、幻想であるのかを知ることこそ【科学】を知ることではないだろうか。≫
【GM作物:遺伝子組換え作物】P121
・世界で生産される【ダイズ】の77%は【GM作物】
・日本の【ダイズ】は95%が輸入で、アメリカ産が約70%、このうちの約90%が【GM作物】。
★この数字を見れば【GM作物】を食べていないなど幻想であることは明らか。特に、食用油や異性化液糖など分析しても【GM作物】と判明できないものは表示義務がないため、清涼飲料、加工食品などから知らず知らず摂りこんでいることに気が付いていない。“勘違いが起きている”と指摘がある。
・100%輸入の【トウモロコシ】に至っては、被害の大きい【アワノメイガ】対応の【BTトキシン】を組込んだ【GM作物】の世界シェアは26%で増加傾向、なかでもアメリカでの比率が非常に高い。
★日本では主に飼料として輸入され、食肉や卵から間接的に摂りこまれている。

◎「報道により歪められる科学」P103
◆ 暮らしに直結した科学の報道に問題が多い理由
・専門的な報道は、科学部なり専門の記者が担当するが、食品や農業などの暮らしに直結した報道は、社会部や経済部の専門外の記者が知識がないまま記事にすることが多い。
★『暮らしに密着しているが故、そこに最先端の【科学】があるとは受け止めず気軽に取材し報道する』このため科学的誤りを報じてしまうお粗末な状態であると、松永氏は説く。
・報道の仕方にしても、この食品は「良い」「悪い」の二者択一式で単純化されるが、現実の食品や農業はこんな単純なものではない。

○「農業に関する知識不足」P137
・日本の一般市民は農業に関する知識がほとんどないため誤解を生じている。
 種子のほとんどは外国産
・種苗業者の多くは海外で生産で、当然販売する種子もほとんど海外産。
 遺伝子組換えに対する予断
・《自然は安全 ⇔ 人工物は思いもよらないことを引き起こす》という予断が一般市民、報道機関にあるため【科学】を伝える難しさがここにあると指摘する。



◆ チェックポイント BEST 3 ◆

◎【科学技術コミュニケーション】その1 ★Keyword=【信頼の危機】P157
◆【信頼の危機】
・福島原発事故は科学技術との関わりについて大きな影響を及ぼした。最大のキーワードは【信頼の危機】。
・【信頼の危機】は、早くから【科学技術コミュニケーション】に取り組んできたイギリスで、
『クロイツフェルト・ヤコブ病は【BSE】感染牛を食べたことが原因である可能性が高い』
ことを政府が発表(1996年3月)したことに端を発している。
【欠如モデル】
・【信頼の危機】以前の【科学技術コミュニケーション】は、【PUS:Public Understanding of Science】が主流で、一般の人の興味関心を高める【科学リテラシー】を広めることを目的にしていた。
・しかし【信頼の危機】以降通用しない事態になる。「未知のリスクがあるかもしれない」「政府、企業と結びついた科学者の言うことは信用できない」など不信感がつのり、「正しい理解が広まれば不安は解消する」という考えを前提にした【PUS】は【欠如モデル】と呼ばれるようになる。

◎【科学技術コミュニケーション】その2 ★Keyword=【トランスサイエンス的問題】
【サイエンス・カフェ】
その後登場したのが【サイエンス・カフェ】。
気軽な場で、専門家と一般市民が対話するイベント。1998年イギリスで誕生し、2005年以降日本でも急速に広まった。
しかし【科学技術コミュニケーション】全体からみるとマイナーな存在に留まっているのが現状。
内容も対話というより専門家によるレクチャー中心のもの、科学の面白さ、最先端の科学を伝えることを意図したものに変質している。
◆「一変した【知のポートフォリオ】」
・3.11以降、原子力をめぐる日本のリアリティーが一変。
「異常事態の日常化」「原発の安全性、将来のエネルギー」について判断する【知のポートフォリオ】が大きく変わってきた。
◆【トランスサイエンス的問題】
1.科学者は、福島原発事故で「全電源喪失」により危機的状況になる確率は“極めて低い”と答えを出せるが、
2.その確率については、さまざまな仮定があるため科学者による答えはまちまちで、“不確実性”を増す。
3.ここで“極めて低い”「全電源喪失」に対する対策が【トランスサイエンス的問題】になる。
★「重大事故につながるにしても確率が低いので“想定外”と見なすか、確率が低くても重大事故につながるため対策を講じるのか」これは科学だけの問題ではなく、社会の価値判断、費用負担の経済的判断、事故による影響を受ける周辺住民の判断など総合的な判断が必要になる。
■用語■
【トランスサイエンス的問題】
【トランスサイエンス:trans-science】は、1972年アルヴィン・ワインバーグ(米、核物理学者)が提唱した概念。
『科学で問うことはできても、科学では答えを出せない問題』
『科学なしでは解けないが、科学だけでは解けない問題』を対象にする。
科学知識の不確実性が大きく、政治的・経済的利害関係や倫理的問題と関わるため科学の領域だけでは答えが出せない。

◎「【リスクコミュニケーション】の観点から不適切な政府の情報発信」P202
『直ちに健康に影響はない』
『レントゲンで浴びる被曝量の1/○○』
などは、【リスクコミュニケーション】の観点から不適切な表現で、政府に対する不信が広がる結果となった。
★平川氏は、【リスクコミュニケーション】の専門家が政府に常駐し、意思決定・情報発信について適宜アドバイスできる体制の必要性を説いている。
★≪『直ちに健康に影響はない』発言などは、『将来健康に影響がある…』とも捉えられ、20^30年後にガン患者の増えることを想定した含みのある発言にも捉えられてくる…?≫



sciencescience  【科学】【非科学】【ニセ科学】  sciencescience

題名に“もうダマされないための”とある。
何に騙されるのだろうか?メディアであだろうか?ネットだろうか?
でもちょっと待ってほしい。
騙される本人の知識、特に科学に対する理解が不足してはいないだろうか?

興味を惹くことだけに気をとられるとこの罠にかかりやすい。
「TVで○○が健康に良い」と紹介すると夕方には品切れになることさえある。
でも一時的で、半年もすると忘れされ、興味は次なるものに移りゆくことが多い。

そしてメディアは間違いであることがわかった報道に対してきちんと訂正することもない。
「マスメディアはどこも総括していない。結果的に科学的な間違いを修正しないまま放置している」
と著者の指摘があるが、まったく同感である。

ちょっと調べれば確かな情報にたどりつくが、【非科学】【ニセ科学】も混在している。
【科学】を理解し知識を身につけることで、これらの報道に対し冷静な判断をしたいと感じる。



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テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

『科学的とはどういう意味か』科学的判断が生死を分けることもある。科学を避けることで、いかに不利になるか危険であるかを説く一冊。

■科学的とはどういう意味か■


「自分にとって危険か安全か」を《科学的に》判断できるかどうかが生死を分けることにもなる。
地震・津波・放射能・健康食品・サプリメント・ダイエット・超自然現象・占いなど身近な事柄も《科学》を理解すると見え方が違ってくる。防災やエネルギー問題など生活に密着する事柄も多い。
《科学的》に判断できれば、生命にかかわる事柄から我が身を救うことにもなる。これこそが《科学》であると説く。

しかし、
「《科学》という言葉は頻繁に使われるが、どういうものが《科学》なのか認識している人は少なく、多くの人は《科学》に対する思考を停止している」「難しいことは専門家に任せておけば良い」「難しいことはいいから?結論だけ!」「そういう話…私ダメ!」として敬遠されている。
《科学》を避け生きることはできない現代。非科学的になることで、いかに損をしているか、
《科学》を避けることで、いかに不利になるか、そして危険であるかを説く一冊。お薦めです。




★詳細はこちら↓

【送料無料】科学的とはどういう意味か

【送料無料】科学的とはどういう意味か
価格:798円(税込、送料別)

森 博嗣(もり・ひろし)著
2011.06.30 第一刷
幻冬舎新書 219



★★★☆☆ 難易度
★★★★☆ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★★☆ 保存版
★★★★☆ 編集、構成
★★★★★ 総合評価



 



◆ 感銘・共感・知見の一文 ◆

◎「東日本大震災における《科学》」P156
福島原発の放射能漏れの測定値は充分とは言えないまでも毎日数値が表示され、数値が意味する情報も公開されている。
・これに対して、TV司会者、コメンテーターは「はっきりと示してほしい」と訴える。測定された数値から「はっきり示す」ことはマスコミの仕事ではないか?と著者の弁がある。
★測定値を捉え、各自が判断することが大事であり、これが基本となるデータである。多くの人が《科学》を遠ざける危険がここに存在する。
★★【放射能】とは何か?について、一般人は理解していない。また「私にはわからないから」と理解しようとしない。わからなければ調べれば良い。聞いて学べばよい。30分から1時間程度調べることでかなり違ってくるはず。この努力をせずに「上からしっかり指示してほしい」という人の、そこまで「お上」を信じる神経が不思議である。と著者。

◎「安全であるという“言葉”を鵜呑みにする危険性」P160
・「安全に作られている」「安全性を充分に確保している」という“言葉”を鵜呑みにすることの危険性を強調している。安全の根拠、裏付けを理解することが重要で、例えば「5mの津波までは防げる」設定条件を知ると知らずでは生死を分けることになる。
・今、技術者として最も検討する必要のあることは「次に起きる地震」「次におこる津波」である。
★「自分にとって危険か安全か」を《科学的》に判断できるかどうかが生死を分けることにもなる。



◆ ポイントひろい読み BEST 3 ◆

◎「主観的感想を欲しがる視聴者」P68
・客観的意見より主観的感想を欲しがるのは、「大勢の主観に同調した自分の主観を持ちたい」「周囲に合わせバランスを保ちたい」傾向の現れで、周りの気持ちを気にしすぎ自分の気持ちがなくなる。
・自分で考えることで「自分勝手になる…」「自分が浮いてしまう…」ことを恐れる結果、自分の感情を遮断する人が多い。
・一人ひとりが自分で考え感じることで、社会は冷静な集合体を形成するが、周囲に合わせる傾向の人が多くなると、社会の意見や感情が短時間のうちに一方向に増幅される危険がある。と指摘する。

◎「自分で考えたくない人が大勢となった結果の現象」P57
・多くの人がある対象に対し「どう感じ」「どう考え」「どう対処」すればよいのか考えたくなくなった結果、TV番組のバックに笑い声が流れ、自分で考えることなく同調しやすい設定やタレントやコメンテータが自分に代わり主観を表現し、それに同調しやすくした“シツラエ”が多くなる。
・笑っている人がいるから「面白い」泣いている人がいるから「悲しい」というように、常に外からの連鎖反応状態となると、自分の感受性が鈍くなる。
★《科学》を敬遠するのも、自分で考え感じることが面倒であり、面倒なことを無意識のうちに避けている結果。
著者は《科学》を避けることの危険を指摘する。このことで取り返しのつかない大きな危機につながると警鐘を鳴らす。

○「“決めつけ”により単純化したくなる」P110
・多くの人が「複雑」よりも「単純」を求め、生き方も「シンプル」にしたいと思うことが多い。「複雑」なものは面倒であり難しいためできるだけ避けたくなる。生物の本能かもしれないが、現実は社会も人間関係も「複雑」である。
・ここで「割り切って」⇒「単純に」と考える。ある程度「決めつける」ことにもなり「単純化」「デジタル化」などと表現される。
例)
・「自分は文系だ」⇒目先の面倒、科学の複雑さを「切り捨てる」ことができる。
・「自分はこの分野に向いていない」⇒嫌いな分野、難しく面倒な分野を「決めつけ」「切り捨て」自分とは無関係と思い込む。



◆ チェックポイント ◆

○「数字の捉え方」P55
・大きな量を表す時、「東京ドーム」などに置き換え表現されることが多い。数字による表現よりもイメージしやすいからだが、逆の見方をすれば、数字ではイメージすることができない人が多いことの現れである。
・数字は具体的に量を伝えることのできる最もわかりやすい指標だが、一般人はその数字がどう感じられるかを知りたがる。インタビューなどで“印象”を伝える場面が多く、報道ではこの“印象”“主観”情報の比率が高くなる傾向にある。
・災害時の中継では、レポーターがしゃべりまくり被災者のインタビューが次々伝えられるが、重要なことは客観的にとらえた現状であり主観的表現は控えるべきである。
★客観的報道より主観的報道比率が増えている理由に、一般大衆が、感情的、印象的なドラマを求めているからと指摘する。

◎「科学的であるために」P141
・「広く報道されているもの」「みんなが信じているもの」「授業で習ったもの」など鵜呑みにしてはいけない!
・より多くの情報、意見をもとに「正しそうだ」「間違っているらしい」程度の評価ができれば充分で、
絶対にとか完全にとまで決めつける必要はない。と著者。
★中途半端で曖昧な状態であることも《科学》の姿勢のひとつであり、正しいと判断されるまで長い時間がかかるのも《科学》である。



sciencescience  科学を身近に  sciencescience

日頃からチョット気になることがあれば調べたくなる。もう少しよく知りたいと感じることが多い。専門書になればそれこそ“小難しい”と感じ敬遠したくなるが【web】検索程度で大凡のことは理解できる。なかにはオカシナ情報も紛れているが、なかなか良い資料も多くこれを見極めれば便利で“お手軽”である。

【放射能】についても今回の事故で大凡の知識を確認した方も多いと思う。しかし、どこまでが安全値なのかについてはデーターが少ないことから専門家の意見も分かれる。はっきりとした結論が出せないのも《科学》であり、「突き詰めても良く分からない」これが《科学》嫌いになる一要因ではないだろうか。個人的には、今後【内部被曝】と汚染物質の隔離保管が大きな課題で憂慮される問題が多いと感じている。

【サプリメント】の【コラーゲン】や【ヒアルロン酸】が高めの値段設定で人気があるのも不思議と言えば不思議である。摂取すれば酵素により【アミノ酸】へと分解され、再び体内で【コラーゲン】【ヒアルロン酸】に合成されるとは限らないと判れば、無駄な出費をしなくて済む。

本書にあるように《科学》に拒絶反応をする人が多い。《科学》抜きでは生活できない現代人が、身近なところで《科学的》になることで、かなり考え方や対応が違ってくると思う。
『非科学的になってしまうことで、いかに損をしているか』と著者の記述があるが“全く同感!”



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テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『カラー図解でわかる光と色のしくみ』空も瞳も青く見える理屈は同じ。微生物から星まで自然界の光と色の蘊蓄ある話題が豊富。分かりやすく面白いお薦めの一冊。

カラー図解でわかる光と色のしくみ■


自然界の光と色について解説しているところが大きな特徴。光の基礎に始まり、天界・宇宙に関する色、生命界・微生物・植物・動物の色までありとあらゆる色について解説している。

著者の経歴を見ると、それぞれ天文関係の著作が多い。なるほど、星のスペクトルや輝線・ベクトル、惑星について詳しい解説がある。

普段何気なく「青いものだ!」と思っていた「空の青さ」「海の青さ」「氷河の青さ」などその理由と解説が端的で分かりやすい。

わたしのお気に入りの話題は

「欧米人の瞳が青いのは青い色素があるからではなかった!」
「褐藻類のワカメがなぜ緑色なのか?」
「ブルーマウンテンズが青く見えるには理由は何とユーカリ!」

黄色を見た時も、赤色と緑色で合成された色も『黄色』と認識する。
物理的には全く違う波長であるが、脳の認識はどちらも黄色となる。

植物の斑入りの葉は、白い部分は光をすべて反射するため光合成ができない。
自然界では淘汰されてしまう異常であるが、園芸種で珍重される。

身近な話題と蘊蓄豊富で楽しめる一冊。
イラストや写真が多く分かりやすいことも好感!



★詳細はこちら↓

福江純(ふくえ・じゅん)
粟野論美(あわの・ゆみ)
田島由紀子(たじま・ゆきこ)著
2008.08.24. 初版第1刷
サイエンスアイ新書 SIS-076


★★☆☆☆ 難易度
★★★★★ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★★★ 保存版
★★★★★ 編集、構成
★★★★★ 総合評価






◆ 感銘・共感・知見の一文 ◆

◎「空の色」 ★Keyword=【レイリー散乱】【オルバースのパラドックス】 P118
 空が【青】く見える訳
・大気で太陽光の一部が、空気の分子、水蒸気、塵などの粒子で散乱する。粒子が光の波長よりも大きければ、どの波長の光も散乱して【白】く見える。(氷や水滴からなる雲など)
・しかし、空気の分子は、光の波長より小さいため、波長により異なる散乱をする。
これが【レイリー散乱】で、『光の散乱量は光の波長の4乗に反比例する』という理論。【赤】は【青】の波長の2倍ほどあるため⇒2の4乗=16倍 反比例して散乱する⇒【青】は【赤】に比べて16倍散乱する。
★高山など上空に行くほど散乱は弱まり、空の色は“濃紺”になる。
≪山の空が真っ青に見える理由がこれ!≫
★オーストラリアのブルーマウンテンズが青く見えるのは理由があり、【ユーカリ】から放出される油の分子がさらに散乱を増すため【青】く見えるという。
 夕焼けが【赤】く見える訳
太陽の高度が低いと大気を通過する距離が長くなり【青】い光は散乱し【赤】い光が残るため。
★朝焼けより夕焼けの方が【赤】味を増して見えるのは、日中の活動などで大気中に塵が増えていることが一因。
 夜空が暗い訳
・太陽がないのだから、あたり前と考えがちだが、『無限の宇宙には無限の星々があり、無限の足し算で明るくなるはずだ』という有名な【オルバースのパラドックス】がある。
・星の光は、距離の2乗に反比例し暗くなる。しかし、宇宙に均一に星が存在すれば、見かけの範囲に見える星の数は距離の2乗に比例して増加する。宇宙が無限であれば、無限の足し算となり、無限に明るくなるはずである。
★理由として、よく宇宙の膨張があげられるが、膨張しなくても宇宙の年齢が有限なため夜空は暗くなる。
『宇宙の年齢が有限なことと、星に寿命があるため夜空を輝かす星の数には限りがあること』が夜空が暗い理由である。

○「海の色」P169
・水は波長の長い光ほど吸収するため、赤色光は水深7mで99%ほど吸収される。
・海面の色は、海水に入射した太陽光が再度海面より出てくる光の色で、海水中の吸収、散乱に浮遊物質、溶存物質が関与する。植物プランクトンが多いと、プランクトンの吸収しない【緑】味が多くなる。
・透明度の高いサンゴ礁では、サンゴの白砂に散乱し、赤から黄が吸収されるため【青】味が強くなる。
・透明度が高く海底が岩場になると、多くの色が吸収されるため【青】色が濃くなる。
・貧栄養の南方より北上する黒潮は透明度が高く、吸収されにくい【藍】色が散乱光となり【藍】色が濃くなる。

○「氷河の色」P177
氷は、波長の長い光ほど多く吸収する。【赤】は【青】に比べ10倍も吸収されるため、氷の中を進むほど【青】味が増えてくる。氷の内部に進入した光は、屈折、反射を繰り返し複雑に進むためクレバスから出てくる光は【青】味の多い光になる。

◎【メラニン色素】P242
ヒトが形成する【メラニン色素】には黒褐色の【ユーメラニン(真正メラニン)】と橙赤色の【フェオメラニン(亜メラニン)】があり、色素細胞【メラノサイト】で合成される。
 【肌】
表皮細胞基底部にある【メラノサイト】は、1000^2500/㎡あり人種による差はないが、生成される【メラニン】量に差がある。日焼けなどで【メラニン色素】が生成される量は遺伝子により決まる。また、低緯度地域の民族は【メラニン色素】をつくる遺伝子が多い。
 【瞳】
角膜は透明で【虹彩】に含まれる【メラニン色素】の大きさと数で色が決まる。
黒い瞳:黒く大きなメラニン粒子を含む
青い瞳: 青い色素があるのではない。空が青く見えるのと同じ理由による。メラニン粒子が少ないため紫外線に弱い。
 【髪】
根毛付近に【メラノサイト】があり、ここで生成されるメラニンの種類と割合で色に違いが生じる。【ユーメラニン】が多ければ黒髪に、【フェオメラニン】の量で栗毛、金髪、赤毛に、そして【メラノサイト】が衰えるとともに白髪となる。



◆ ポイントひろい読み BEST 5 ◆

○「光と色の基本」P14
【波長】
【可視光】は、380nm~780nm(ナノメートル=1/10億m)。
日本では、赤橙黄緑青藍紫(せき・とう・おう・りょく・せい・らん・し)と呼ばれ、このように分解された光を【スペクトル】と呼ぶ。
★【スペクトル】は、ラテン語で“形”“像”“幻”という意味で、ニュートンは、七色に分かれた太陽光が“お化け”(specter)のように見えたことから【スペクトル】と命名したとある。
【屈折率】
・光が異なる物質の境界面に入射すると経路が曲がる。これが【屈折】で、薄い媒質から濃い媒質へ入射すると【入射角】より【屈折角】の方が小さくなる。
【入射角】:境界面の垂線と入射光線の角度
【屈折角】:境界面の垂線と屈折光線の角度
・真空下での【屈折率】は、空気:1.000277、水:1.33、水晶:1.54、ダイヤ:2.42

◎「意外な蘊蓄」 ★Keyword=【前後対称】【修正マンセル表色系】 P18^ 
【鏡】のトリック
『左右は逆転するのに、上下は逆転しない!なぜ?』という問いかけがある。これを考えるとなかなか難しい!『上下は引力がはたらく』など苦し紛れのヘンテコな答えが出てきたりする。鏡像は、左右対称だが上下対称ではない。
⇒正解は【前後対称】 。でスッキリ解決!
【凸レンズ・凹レンズ】
凹凸どちらも記号のようだが正規の漢字であり由緒ある【象形文字】。部首は【凵(かんにょう)】≪PC変換でもこれ出てこない!≫
【回析】【干渉】
【回析】:光が波長と同じような長さのスリットの縁などで曲げられたり、回り込むと波長により色がついているように見える。
【干渉】:シャボン玉や油膜でよく見る現象で、光の波長程度の厚みであるため、上面と下面で反射した光が【干渉】する。
 【光の3原色:RGB】
Red/Green/Blueの頭文字。この3原色を混ぜると明度が上がることから【加法混色】と呼ばれ、色光の3原色を等分に混ぜ【白】となる(赤+緑+青=白)また、(赤+シアン=白)(緑+マゼンタ=白)(青+イエロー=白)となり、混ぜると【白】くなる色を互いに【補色】という。
 【色の3原色:CMY】
Cyan/Magenta/Yellowの頭文字。物体の色は光の吸収により発現することから【物体色の3原色】といわれる。この3原色を混ぜると明度が下がることから【減法混色】と呼ばれ、色料の3原色を混ぜると【黒】になる。
【修正マンセル表色系】
・美術研究家の【アルバート・マンセル】が1905年に考案し、科学的考察を加え1943年に策定された。JISに採択されている。
☆ 5R6/4は、色相【H】が【R:赤】の5、明度【V】が6、彩度【C】が4の色を示している。

○「宝石の発色」P166
・酸化アルミニウム(Al2O3)の結晶鉱物【コランダム】は無色透明。
⇒Alの1%程度がクロム(Cr)、鉄(Fe)に置き換わると緑から青、紫の光を吸収するため、赤い光を発する。これが【ルビー】。
⇒Al2個が鉄(Fe)とチタン(Ti)にセットで置き換わると黄から赤までの光を吸収するため、青い光を発する。これが【ブルー・サファア】
・無色透明の【水晶】は、シリカ(SiO2)結晶の0.01%程度のケイ素(Si)が鉄(Fe)の置き換わり、放射線が当たると結晶から電子が失われ紫、黄の色になる。

◎「【斑入り】の葉」P198
園芸品種などで、葉の一部や葉の輪郭に白い班のある植物がある。葉緑体ができない異常で白くなることが多く、白い部分は太陽光をすべて反射するため光合成ができない。自然界では淘汰されてしまう異常であるが、園芸種では珍重されている。
同じような白い班は細胞の密度が疎らなため乱反射して白く見えるものもある。

○「海藻の色」 ★Keyword=【補助色素】【アンテナ色素】 P220
・光合成をする植物は【光エネルギー】を直接【化学エネルギー】に変換できる【クロロフィルa】を必ず持つが、【赤】系【青】系の光以外吸収できない。
・海藻は、水深が深くなるに従い【赤】が届かなくなるため、その環境で吸収できる光を【補助色素=アンテナ色素】で取り込み【クロロフィルa】へ渡すことで光合成をしている。
【紅藻】深い海いでは【緑】の光を吸収することができる【フィコエリスリン】をもつことで生息できる。
【緑藻】浅い海に生息するが、【シフォナキサンチン】をもつものは褐色系のにごった色を呈している。
【褐藻】【クロロフィルa】【クロロフィルb】【カロチン】【フコキサンチン】を含み、
葉緑体中で【フコキサンチン】がタンパク質と結合し【赤】系の光を吸収できるように褐色を呈している。
☆  『【褐藻】のなかまである【ワカメ】がなぜ【緑】色をしているか?』熱湯をかけることで【フコキサンチン】とタンパク質の結合が外れ【赤】系の光を吸収できなくなるため。
■【海藻】のもつ主な色素■
【クロロフィルa】(青緑系)【クロロフィルb】(黄緑系)【クロロフィルc】(緑黄系)【フコキサンチン】(橙黄系)【カロテン】(橙黄系)【ルテイン】(黄系)【フィコエリスリン】(赤系)【シフォナキサンチン】(赤系)【フィコシアニン】(青系)【アロフィコシアニン】(青系)



◆ チェックポイント ◆

◎「天体から届く光」 ★Keyword=【黒体放射スペクトル】【輝線】【原子スペクトル】 P62^
 【黒体放射スペクトル】P62
・夜空に輝く星は、表面温度が違いにより、赤、黄、青、白に見える。
星の連続スペクトルで決まり、高温になるほど短波長となるため、橙(3^4000K)黄(4^5300K)、白(6000K以上)、青白(7500K以上)に見える。この連続スペクトルは【黒体放射スペクトル】とほぼ近似。
 【吸収線】【輝線】P64
白熱灯の前でナトリウムを燃やすと、ナトリウム原子が特定の波長の光を吸収するため【スペクトル】中に黒線が生じる。これが【吸収線】。燃やされるナトリウムは、【吸収線】と同じ波長の光だけをナトリウム原子から放出する。これが【輝線】。
★太陽の【スペクトル】に見られる【吸収線】は、発見者に因み【フラウンフォーファー線】と呼ばれる。
 【原子スペクトル】P66
元素は気体状態で熱せられると、特定の波長の光を吸収または放出する。元素ごとに異なるため【スペクトル分解】により、遠い宇宙に存在する元素を特定することができる。このスペクトルを【原子スペクトル】と呼ぶ。
★この同定方法は複数の原子が結合した分子でも同じように特定することができる。

○「星の蘊蓄」P83^
 彗星の尾P83
太陽に近づくにつれ、尾が長くなるため、箒(ほうき)星とも呼ばれるが、この尾の正体は氷が融解しガス状の雲になったもの。このガス状の雲は太陽風により吹き飛ばされるため、太陽とは反対側に伸びることになる。太陽から遠ざかるときには進行方向にたなびく。
 明るさの等級
B.C.2世紀ごろに【ヒッパルコス】が分類した等級で、肉眼で見える最も明るい星を1等星、最も暗い星を6等星と6段階に分類。現在では、1等級ごとに2.512倍、5等級差で100倍になる等比級数で対応している。
 【絶対等級】
地球から10パーセク(32.6光年)の位置に天体があると仮定した時の明るさを表す単位。見かけの等級が-26.7の太陽は【絶対等級】4.8となり、宇宙ではごく標準的な恒星。

◎「ヒトの【視細胞】」 ★Keyword=【桿体細胞】【錐体細胞】 P50
【桿体細胞】 :明暗を感じる細胞で、およそ2億個
【錐体細胞】 :色彩を感じる細胞で、L【赤錐体】M【緑錐体】S【青錐体】の3種で、700万個ほどある。
ヒトには元々2種の錐体細胞しかなかったが、その一つが【赤錐体(560nm付近で最大吸収)】と【緑錐体(530nm付近〃)】に分化し、3原色となったらしい。もとからあったのは【青錐体(420nm〃)】。
★色の認識の仕方
黄色の光を見たときに黄色と認識する。赤色+緑色の場合も黄色と認識する。
物理的には全く違う波長であるが、脳の認識はどちらも黄色となる。



☆☆☆★☆  どうでもいいこと  ☆★☆☆☆

空が青く見える。その訳が分かれば楽しいもの。【レイリー散乱】などで論理的な解釈ができれば“ナオサラ”である。さらに、欧米人の瞳が青いのは青い色素があるからではなく、空と同じ理屈とわかる。

これを
「どうでもいいこと!」
「だからなんだ!」
となると話が進まない。
確かにどうでもいいかもしれないが、どうでもよくなくなると、この話題面白いものとなってくる。こんなところに、こんな話題といろいろな本に手が伸びることになる。一般科学書の楽しみがここにある。

そんなわけで、次に何が登場するのか私自身予測がつかない。
面白い話題、興味ある話題の本を探すひと時もまた楽しみとなる。



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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

『ぶらりミクロ散歩』“立体視”しているところがスゴイ!身近なものからウィルスまで異次元の世界を覗いて見てはいかがでしょう。

■ぶらりミクロ散歩■


「電子顕微鏡で覗く世界」と副題にある。
難しいのではという心配は全く無用。何でも見てやろう意識の著者と一緒に楽しめる一冊である。対象は、いたって身近なものの世界。著者の「鼻毛」に始まり、やはりご自身の「尿道結石」、「畳に生えたコウジカビ」など次から次へと覗きこんでいる。

次に何が登場するのか見当もつかない。ひたすら著者の気の向くままに、お付き合いすることになる。
少しましなものとしては【アオジソ】の“香り袋”、コンペイトウの芯などをとらえている。マンモスの“毛”、パンダの“毛”なども登場。表面のケラチンの波紋が美しい(撮影写真がたくさん載っている)。

【低真空走査電子顕微鏡】が開発され、高等学校や中小の工場にも普及し身近な存在になりつつある。なんでも覗いてみたくなる著者。こんな方が増えると“電子顕微鏡症候群”なる病名で呼ばれるかもしれない。

この顕微鏡写真が今まで見てきたような、単なる拡大写真と違うところは“立体視”できるところ。微生物から、ミジンコ、アリの口、尿道結石の結晶までが立体視できている。ミクロの世界そのままを覗いているような感覚になる。この点が新鮮で、著者が何でも見たくなる気持ちが分かる。

ミクロの世界、『なんとなく謎めいていて、覗いてみたくなる』と「はじめに」に記されているとおりの内容。ミクロの世界に“造形美”を感じるか、“不思議さ”を感じるか、はたまた“異次元の世界があることを”感じるかは読み手次第。
「電子顕微鏡を覗いている“著者の世界”を覗いてみる」こんな本の空間をぶらりと散策。
異次元の世界に浸れる楽しい一冊。お薦めです。




★詳細はこちら↓

【送料無料】ぶらりミクロ散歩

【送料無料】ぶらりミクロ散歩

価格:756円(税込、送料別)

田中敬一著
2010.08.20. 第一刷
岩波新書(赤新版)1265


★★★☆☆ 難易度
★★★★☆ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★☆☆ 保存版
★★★★☆ 編集、構成
★★★★★ 総合評価




◆ 感銘・共感・知見の一文 ◆

◎「【ウナギ】の幼魚【レプトケファルス】は何を食べて育つのか?」 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・★Keyword=【レプトケファルス】 P17
・遠く【マリアナ海溝】で孵ったウナギの稚魚【レプトケファルス=葉形仔魚】(ヤナギの葉に似た形)は何を食べて育つのか全く分かっていない。
・黒潮に乗り日本へたどりつく【シラスウナギ】と呼ばれる大きさまで育っていれば、ここからの養殖は可能である。
・1974年、採卵して孵化させることはできるようになったが、餌が分からないため育てることができない。そこで、【マリアナ海溝】で採取した【レプトケファルス】の腸管内容を【電子顕微鏡】で調べることになる。見つけたのはプランクトンの“横紋筋”。そして“獰猛”な【オオヤムシ】の刀の形をした“顎毛”が見つかる。
≪驚くほどきれいに撮られている≫
今まで【レプトケファルス】の捕食者とみなされていた【ヤムシ】。小さな【ヤムシ】は餌として、大きくなると今度は【ヤムシ】に捕食されるという関係が浮かび上がる。無事この闘争を勝ち抜いた【レプトケファルス】が、黒潮に乗り【シラスウナギ】となり日本へたどり着いていたことが分かる。
★この成果により【ウナギ】の完全人工養殖を可能にした。
≪この調査研究を著者は“ウンコロジー”と称し解説しているのが愉快である≫

◎【T2バクテリオファージ】 ★Keyword=【バクテリオファージ】【ファージ】 P60
1985年、【80万倍超高分解能走査電子顕微鏡】の性能を示すため選ばれたのが【T2バクテリオファージ】。
≪イラストでは見たことがあるが、実写真では初めて拝見。まるで異星人のような異様な姿。すごい写真!≫
「×390000」と表示がある。大腸菌の一部に取りつき、6本の尾フィラメント、ヘッド、テイルが揃って映る貴重な写真。
『ミリやミクロンの領域では、自然の造形美が美しく感じるが、ナノの領域となると形が単調で面白みがない。その中で、【ファージ】だけは複雑で面白い形をしている』と著者の弁。
★撮影は困難を極めたらしい。数10万倍の強拡大にすると、強くなる電子線に吹き飛ばされてしまう。偶然に2つの【ファージ】が重なり、飛ばされずに映し出された一つをトリミングしている。
■用語■【バクテリオファージ】
細菌に感染するウイルスの総称。単に【ファージ:phagein】とも呼ばれる。phageinの意味は“食べる”。



◆ ポイントひろい読み BEST 3 ◆

◎「ミクロの世界立体視-小動物の部分」P66
 【ショウジョウバエ】
目の写真がある。視細胞が球面をつくる写真。車のヘッドライトでも見るような大きさに撮り込んでいる。視細胞の間に不思議な突起が見つかる。これなんのため?…著者も?…ミクロの世界が見えるとまたそこに新たな“?”が見つかる。
 【ミジンコ】
動いている姿そのままを見たいがために工夫がされている。-80℃に瞬間冷凍し、動きの止まったところを撮影している。イヤハヤ…スゴイ瞬間の写真である。
 【ミスジハエトリ】(クモ)
スゴイ表情?の写真がある。細かな毛に覆われて目らしき部分と口らしき部分が写っている。ここまで見えると、小動物もなぜかスゴイ生物であるように思えてくる。

◎「ミクロの世界立体視-植物の部分」P99
 【アオジソ】
葉裏に“香り袋”が点在している写真がある。きれいに散在して美しい写真。【サンショ】料理などでは、手のひらでたたくとより香りが引き立つ理由が分かる。
 【ウツギ(ウノハナ)】
“撒き菱”状の構造がよく捉えられた写真。著者は『美しい夜空のよう』と形容している。葉一面、均一に“撒き菱”がある。拡大しないと知り得ない世界が見えている。

◎「ミクロの世界立体視-その他」
 【尿道結石の結晶】P7
「×60倍」だが、立体視できるため、鉱石の結晶でも見ているよう。こんなに結晶が尖っていては痛みも“ヒトシオ”ではないとよくわかる。
 【コンペイトウ】P119
【コンペイトウ】の芯に使われる“芯”を探すが見つからない。ケシの実、ゴマ、ザラメ粒などが使われるらしいが、穴が残るだけ。ザラメであれば溶けてしまった?と推測する著者。



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テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『自然界をゆるがす「臨界点」の謎』広い分野から【臨界点】を集めた視点がユニークで、大変おもしろく読める。非日常な世界を楽しんではいかがでしょうか。

■自然界をゆるがす「臨界点」の謎■


【臨界点】【相転移】など普段身近に意識することのない世界と思っていたが、“水”が“氷”になったり、“水蒸気”になるのも【相転移】であり、水は身近なところで性質を変えている。生物、宇宙、環境、物理から経済まで広い分野で【臨界点】を集めたところがこの本の一番の特色で、ユニークな視点である。
そのなかで、生命生物に関係ある【臨界点】【相転移】は、読みやすく理解もしやすい。バッタ大発生の【臨界点】、生物大絶滅の【臨界点】、カンブリア爆発の【臨界点】などは馴染みやすく、興味を引くとともに、生命の不思議さを改めて感じてしまう。

異色なのは、【気候変動】。J・ハンセンとIPCC の内容が政治的に利用され、科学とは乖離していることが、大局的に書かれていて好感を持てる。「温暖化の原因はCO2」を前提にした議論、エコ運動が多いなか、科学的根拠をもとに行動すべきであることへの警鐘と感じた部分。
本題の【臨界点】としては【ミランコビッチサイクル】の解説と過去の気候変動データの読み方が秀逸。

副題に、『宇宙・生命・物質のすがたはこうして一変する』とある。
身近でありふれた物質が、ひとたび【臨界点】をくぐり抜けると、まったく別の性質をもつ物質に変貌する。身近な物に未知の世界がある。そんな世界をわかりやすく解説しているので、“ヘェー”という感じで気軽に楽しめる一冊です。
気になる記事をひろい読みしても充分楽しく、新たな知見に接することができる。
チョット、非日常的な世界を楽しんではいかがでしょうか。お薦めです。

(はじめにより)
『この世界に永遠は存在しない。すべてのものはいまあるところからどこかに向かって刻一刻と変化し、しばしば突如として大きく変質するかと思えば、ときには完全に崩壊してそれまでの姿を失う。それは、この世界には【臨界点:クリティカルポイント】と呼ばれる逆らいがたい瞬間が無数に散りばめられ、埋め込まれているからである。【臨界点】とは、変化の流れを突然停止させ、ときには逆行あるいは加速させ、またその流れを別の方向へ導いて、以前の状態の破壊と新たな生成を引き起こす現象の瞬間のことである。』




★詳細はこちら↓
自然界をゆるがす「臨界点」の謎

自然界をゆるがす「臨界点」の謎

価格:1,659円(税込、送料別)



金子隆一(かねこ・りゅういち)/木幡夫(こわた・たけお)/新海裕美子(しんかい・ゆみこ)/
ハインツ・ホライス/矢沢潔(やざわ・きよし)著
編集、制作:矢沢サイエンスオフィス
2009.08.25. 第一版第一刷
知りたいサイエンス061


★★★☆☆ 難易度
★★★★☆ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★★☆ 保存版
★★★★☆ 編集、構成
★★★★★ 総合評価

 

◆《感銘・共感・知見の一文》◆

◎「【気候変動】の【臨界点】」 ★Keyword=【アルベド】【ミランコビッチ・サイクル】 P115
今話題の【温室効果ガス】【地球温暖化】についての記述があるが、とても冷静に分析し、大局的の捉えているところに大変共感する内容です。
ジェームズ・ハンセンの発言に端を発した【地球温暖化】【IPCC】報告などのデータ、未来予測に誤記があることがニュースにもなり、信憑性が揺らいできている。
 ハンセンが主張する気候変動暴走の【正のフィードバック】
「雪や氷で覆われた地域の【アルベド】の小さな変化でも地球の気温上昇の引き金になる。このプロセスは加速度的に進行し、太陽光を反射する氷が解けると、反射率が低い海面や土壌が露出し、温暖化と氷の融解の悪循環が始まり、【アルベドフリップ】(太陽呼応反射率の跳ね上がり)が起るはずだ」
★科学用語でこのような悪循環を【正のフィードバック】と呼ぶ。含まれる系(システム)が不安定な方向へ際限なく進むフィードバック循環。

 地球の気温の変化は、北緯65度における太陽放射量に基づいている。
太陽放射量の変動の最大要因は【ミランコビッチ・サイクル】で知られる地球の周期的な自転、軌道の変化である。
★【ミランコビッチ・サイクル】の3要素
1.自転軸の傾きの変化:現在23.5度傾く自転軸は、4万年周期で22.1^24.5度の間で変化する。
 (周期:4.1万年)
2.自転軸の歳差運動:自転軸を傾けたまま、23.5度の範囲で3種の周期で首振り運動する。
 (周期:1.9、2.2、2.4万年)
3.公転軌道の離心率の変化:太陽-地球間の距離が3種の周期で500万km以上変化する。
 (周期:9.5、12.5、40万年)

◎「J・ハンセン仮説の問題点」P132
『 人間活動が生み出す温室効果ガスによる地球温暖化 』という仮説が、科学的根拠から遠ざかり、政治的に利用されていることにある。
【地球の気候変動サイクル】の表から読み取れる事実は、変動幅は一定で寒冷化と温暖化を繰り返している。
【温室効果ガス】が増えると、気温が上昇しているように見えるが、詳しく見ると【温室効果ガス】は気温の変化に追随して変動していることが分かる(★気温の変化が先行)
★コロラド気象センターのロジャー・ビールケ教授は、ハンセンの予測した論文について『 明らかに特定の政治的目的を推し進めるために、それらしい科学技法を使い書かれた宣伝記事 』 と評している。

◎「深海底の【熱水噴出孔】から噴き出る【超臨界水】」★Keyword=【熱水噴出孔】【超臨界水】P161
海底の【熱水噴出口】は進度3,000m、水圧300気圧。ここから噴き出す水は、性質が全く違うことが分かってきた。圧力の上昇とともに、沸点も上がっていくが、220気圧、沸点374度になると、突然沸点が消失する。これ以上の高温・高圧下では、水は気体であって気体ではない。液体であって液体ではない。
奇妙な状態になる。水分子が、気体と同じ速さで運動し、液体と同じ密度をもつという二面性をもつ。
★【沸点】が消失したのは、水が圧力と温度の【臨界点】に達したからで、さらにこれを超えて【超臨界】へ導かれる。【熱水噴出口】から噴き出す水が【超臨界水】。
★《普通の水と異なる性質》塩はほとんど解けない。油は瞬時に溶け、分解される。電気的性格が失われ無機物は容易に溶けず、有機物は溶ける。
★身近なありふれた物質が【臨界点】を超えると思いもよらない全く別の性質をもつ物質に変貌する。



◆《ポイントひろい読み BEST 3》◆

◎「昆虫大発生の【臨界点】」P8
【ウンカ】
農薬の使用が一般化される昭和20年代以前は、米農家にとって最大の天敵が【ウンカ】。
半翅目(はんしもく)の体長5ミリほどの昆虫で、成虫、幼虫ともにイネの茎から液汁を吸い枯らすとともに、病原体を媒介する。大発生すると飢饉の原因となり、1732年【享保の大飢饉】では100万人近い餓死の記録がある。
★【蝗害(こうがい)】は本来【バッタ】の被害を指すが、日本で記録される農作物被害は【ウンカ】によるものと考えられる。

「【バッタ】が飛蝗化への【臨界点】を超えるとき」P17
【飛蝗化】は、普通のバッタが【相変異】を起こし、【孤独相】から【群集相】へ変化して体色は黒っぽくなり、集団化、大型化、食べ物の変化をもたらす。
《相変異の条件》
1.乾燥地帯に雨が降り、一斉に発芽した植物でおおわれると、【孤独相】のバッタが大繁殖する。
2.数ヵ月後に植物が結実し枯れると、残る植物に【孤独相】のバッタが集まり密度が上がる。
3.生息密度が【臨界点】を超えると、内分泌に変化が起り、次世代のバッタが【群集相】へ変化して【飛蝗化】する。
★一度繁殖した植物が一掃され、生息密度が上がることが発生のポイントと指摘される。
★原因物質の一つに【Hコラゾニン】が発見され、このホルモンの研究がされている。

◎「生物大絶滅の【臨界点】」 
            ★Keyword=【P-T境界】【K-T境界】【ホットプルーム】【スーパーボルケーノ】 P29
【大絶滅ビック5】
1) 4億4,400万年前(オルドビス⇒シルル紀)
 絶滅種【コケムシ類】【筆石類】【オウムガイ類】【腕足類】【三葉虫類】
2) 3億5,900万年前(デボン⇒石炭紀)
 絶滅種【腕足類】【オウムガイ】【三葉虫類】
3) 2億5,100万年前(ペルム⇒中生代三畳紀) ★【P-T境界】
 絶滅種(ほとんどの無脊椎動物) 【フズリナ類】 【腕足類】【アンモナイト類】【コケムシ類】
 【三葉虫類】
【獣弓類】
 【昆虫】:昆虫の歴史上唯一明瞭な大量絶滅と新しい種の入替(酸素分圧の低下が原因と思われる)
4) 2億1,000万年前(三畳紀⇒ジュラ紀)
 絶滅種【コノドント】【アンモナイト類】【腕足類】【二枚貝類】
5) 6,500万年前(白亜⇒新生代第三紀) ★【K-T境界】
 絶滅種 【恐竜】【翼竜】【魚竜】【アンモナイト類】
★時代区分は、時代ごと固有で種の変遷のあるアンモナイトや三葉虫の【示準化石】により定義される。

地球生物大量絶滅の【臨界点】
【P-T境界】は100万年内の変化、超大陸【バンゲア】形成時代に起きた地質学的には一瞬の出来事。
【海退】で大陸周辺の大陸棚が露出し砂漠化したため、海洋生物の被害が大きい。
【海退】の原因は二つ考えられる。
1)地球の寒冷化、
2)地球内部からの 【ホットプルーム】 による地殻変動シベリアのの超火山【スーパーボルケーノ】による60万年にもわたる火山活動
有機質が分解されていない黒い堆積層があり、海洋に酸素が供給されないため生じたもので、海洋生物は活動できなかったと推定される。

【大量絶滅】は付随する火成岩地区の形成がある。
K-T境界では、デカン高原が形成され、三畳紀後期にはブラジルとアメリカに存在する大規模火成岩の形成時期と一致する。
【大量絶滅】の直前に地球磁場の長期消滅がある。
ペルム期末、三畳紀後期、白亜紀末に起った記録が海洋プレートに残る。
【大量絶滅】の時代に符合する巨大隕石衝突がある。K-T境界、P-T境界意外にも、絶滅時期に符合する巨大隕石の痕跡がある。

◎「【カンブリア爆発】の【臨界点】」 ★Keyword=【全球凍結=スノーボール・アース】 P50
地球の生物史は、80%が単細胞生物か未分化の多細胞生物。
複雑な多細胞生物があらわれると、500^1,000万年ほどの間に、現在のあらゆる生物の基本構造を備えた生物が出現する。【カンブリア爆発】と呼ばれる由縁がここにある
過去35億年の化石記録から、生物学的な形態は漸進的な集積ではなく、単細胞生物の体制から多様な種の体制へ、かなり唐突な遷移が起ったことを示している」この考古学者の指摘に議論は続いている。
カンブリア紀が始まると【ローディニア】大陸は分裂をはじめ、大陸棚の拡大、浅海の拡大が世界的に起る。地球の気温は高く、氷河は存在しない。それ以前の8^6億年前は、【スノーボール・アース】を経て、激しい氷河時代が長く続いていた。
【全球凍結説】は、地球表面は25億年前と8^6億年前の2度、完全に凍りついたとされている。そしてこの後に、生命進化上重大な時期が来る。25億年前の【全球凍結】後に【真核生物】出現、エネルギー効率の良い真核細胞の出現は生命進化上画期的出来事。
【カンブリア爆発】を説明する仮説は、環境要因のものと、生物要因のものがある。
《環境原因》
地球大気の【酸素濃度】が臨界点に達したこと
温暖化により、有機物、無機物の栄養を大量に摂取できたこと(この時代の岩石には燐灰石が多量に含まれている)
《生物原因》
長い時間を経たことで、多様化への生物学的条件を備えることができたこと
遺伝学的進化をしたこと
捕食者の出現による生存競争が関与したこと



◆《チェックポイント BEST 3》◆
ここは少し上級編、ひろい読み編が気に入ったら次はこちらで、チョット深読みしてはいかがでしょうか。

◎「星の核融合、重力崩壊、ブラックホールの【臨界点】」P70
 核融合を起こす星の最低質量は、0.08太陽質量必要で、この質量を少し上回る程度では【褐色矮星】となる。
 太陽質量≧M(太陽質量と同等かそれ以下)の星の核融合は、2個の水素原子(2個の陽子)が融合しヘリウムをつくる。
 M≧1.5太陽質量(太陽の1.5倍以上)の星の核融合は、『炭素-窒素-酸素サイクル』と呼ばれる複雑な核融合になる。
 太陽質量≧Mの核融合は1,500万度以下、M≧1.5太陽質量の核融合は1,600万度以上となり、4個の水素から1個のヘリウムが生まれる。
『炭素-窒素-酸素サイクル』:炭素が水素(陽子)を吸収、窒素、酸素に変化して窒素がヘリウムを放出し炭素に戻る。
★現在発見されている最大の巨星は、おおいぬ座VY星で、太陽の20^25倍の質量、半径は2,000倍の14億km(土星の公転半径ほど)1,000年ほどで【重力崩壊】を起こし【極超新星=ハイパーノバ】となり宇宙の大変事になると考えられている。
★星の核融合の特徴は、中心部の温度が少し高くなるだけで何倍ものエネルギーが放出されることで、核融合を起こす時間が累乗的に短縮される。太陽の10倍の質量があると、寿命は1/10ではなく、1/1,000になる。


(★以下の【臨界点】は、いやはや…ヘェーと拝聴するほか手はない。どうしてここまで分かるのかなど、さらさら見当がつかない世界!既に私の能力の“臨界点”を超えている?と感じながら続けています!)

◎「大質量星の【重力崩壊の臨界点】」 ★Keyword=【チャンドラセカール限界】【重力崩壊】
水素が燃え尽きると、中心核は重力により収縮し2^3億度温度が上昇する。
ここで、ヘリウムが核融合を起こし、次に8億度で炭素が、そしてネオン、酸素、ナトリウム、マグネシウムを生成、さらに15億度でネオンが燃え20億度になると酸素が核融合を起こし、マグネシウムからケイ素、硫黄が生成される。30億度に達するとケイ素が核融合し、コバルト、ニッケルへ変換、結合エネルギーが最大の鉄へ昇りつめたところで、終末を迎える。ケイ素が核融合し始めると数日のうちに中心核の質量が太陽質量の1.4倍【チャンドラセカール限界】に達し、自らの重力に耐えきれなくなり一瞬にして【爆縮】を起こす。
◆ 太陽質量の8^16倍の恒星が【重力崩壊】後、太陽質量の1.4倍以上の中心部が残されると、
さらに重力崩壊を起こし直径10キロメートルほどの超高密度な【中性子星】が生じる。
 太陽質量の20^30倍の超巨星は、中性子星が残ってもその巨大重力により再び崩壊し、いくつもの【臨界点】を超え【ブラックホール】となる。

◎「宇宙を生みだした【相転移】の【臨界点】」 ★Keyword=【相転移】 P98 
 【相転移】
水は身近な物理システム、『水蒸気⇔水⇔氷』の変化は最も身近な【相転移】の例。磁性、電気伝導、流動性なども【相転移】の例。
 【相転移】を促す自然の基本原理は『平衡状態にある自然は安定を好む』
宇宙誕生後、10のマイナス34乗秒以内に、3回の【相転移】が起ったとある。宇宙進化史には6^7回の【相転移】があったらしい。
“水”しか知らないひとに、“水蒸気”の状態や“氷”の状態を説明してもピンとこないように、宇宙誕生の【相転移】は実体験できないだけに理解に苦しむ。というより理解できないと言った方が正確かもしれない。
話では分かったような気持ちになっても、現実離れしすぎていて、とても身近に感じることはできない。
 この通りとすれば、宇宙には、我々が経験できない【相転移】がいくつも横たわっている状態を理解しなくてはならないことになり、到底理解できそうにない。
まとめとして、宇宙には知り得ない【相転移】が多く、どれもこれも、私の理解力の“臨界点”をはるかに超えてしまっている!と言わざるを得ない。



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