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『ニュースに騙されるな』報道の舞台裏に情報の信憑性、事実確認など意外な事実。我々受け手側の判断力が問われる。ニュースの見え方が違ってくる。

■ニュースに騙されるな■


テレビ報道の危機は深刻だ。すべてのテレビ局が同じ記者クラブに属し、似たような情報を横並びで報じている。といって、インターネットに期待することもできない。ニュースの多くが新聞やテレビの記事を流用しているだけで、インターネットならではの信頼できる情報源はほとんど存在しない』(P5)

新聞記者数は、2006年から2010年間に25%減少し、TVの記者、雑誌の記者も1980年代に比べ半減、なかでも、医療、教育、環境、地方行政など地味な分野の記者数が激減したという。人件費、取材費のかかる報道は姿を消し、TV局は【製作会社】に局の下請けとしてつくらせた番組をいくつも報道している。新しい形態の【ネットニュース】は、自ら取材、製作することなく、事実確認、事実検証をする過程が欠けその責任をとることもない。

こうした実情を知ると、報道される情報の信憑性、事実確認は、視聴者など受け手側の判断に委ねられる比重が増してくる。報道にも構造変革の波が押し寄せ、変革真っ只中の感がある。そのなかで、目に見えてニュースの質が衰退しているという認識をあらたにさせられる一冊。お薦めです。



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価格:700円(税込、送料別)

椎名健次郎(しいな・けんじろう)著
2011.2.24. 第一刷
宝島社新書 334 



★★★☆☆ 難易度
★★★★☆ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★★☆ 保存版
★★★★★ 編集、構成
★★★★★ 総合評価






◆ 感銘・共感・知見の一文 ◆

◎「ニュースそのものではなく、その演出に躍起となる番組つくり」
◇「より面白く、感動的に伝えるかに重点を置くディレクター」P80 
・ニュースを物語仕立てにし、より面白く見せることができるか、その感動の裏側に【振り幅】の計算が存在する。視聴者は、状況変化が大きく、ダイナミックな変動を遂げるほど心を打たれる。
・【ドラマ化】【物語化】して面白さを演出しているVTR が多いことに気付く。政治ニュースでは、“○○派”“反○○派”などとレッテルを張り、スポーツ選手では、背負っている背景を【ドラマ仕立て】にしている。

◇「同じ切り口のニュース番組」P91
・情報入手方法が同じ、同じ記者クラブに所属、同じような選定基準であるため、どのニュース番組も同じように見える。同じ価値基準であり、同じ価値観のため僅かなところで差を出そうと躍起になる。人気女子アナ・芸能人キャスターの登用があるが、「包装紙の美しさを競うものであっても、中身には何ら関係ない」と著者。

◎「TV局の社員が製作していない番組が放映される実態」P139
◇「既存メディアの【製作会社化】」
放映されていると、その局が制作したものと認識されやすいが、【製作会社】が局の下請けとして番組をつくったものがいくつもある。既存メディアの【製作会社化】は、視聴者からは自社のブランド認識もされることもなく、発注元からは低価格で買いたたかれる実態がある。



◆ ポイントひろい読み BEST 3 ◆

○「記者クラブの実態」P20~
各社横並びで独自の行動を発揮しようとしない【記者クラブ】の実態について“ヘェー”と思える記事がいくつもある。
◇【メモ合わせ】
自分のメモに間違いがないか書き落としがないか、質疑応答の一字一句を十数社の番記者同士で確認しあう行為。外から見ると奇妙で滑稽な光景だが、記者クラブという閉じた空間で行われている緊張感を欠いたマスコミ同士の互助的関係。

◇【記者レクチャー】
総理大臣の外遊時などに同行する記者のために官僚が【記者レクチャー】を開催する。政治記者の多くは、普段、取材するのは政治の権力闘争ばかりで政策に詳しくなく、外交にも関心がない。そこで、その道の専門家である官僚が誘導することになる。そして【記者レクチャー】の内容がそのまま記事にもなる。

◇【懇談】
政治家や官僚の記者会見に出席できるのは、“記者クラブの加盟社”だけであることに対し強い批判があるが、【懇談】も同じように記者クラブ加盟社だけしか参加できない。記者と政治家がざっくばらんに話し合える場だが、発言した政治家名は匿名、撮影、メモも許されていない。記者会見で本音を言えなかった政治家との懇談で、ほとんどの記事が【懇談】の発言であり、政治記者にとって取材の中心になる。

◎「取材の実態」P67~
「TVカメラが20台も並ぶ記者会見」
・話題の記者会見やニュース現場に多くのカメラが並ぶのは、1TV局で1台ではなく番組ごとにそれぞれ手配するためで、番組同士での情報共有や連携ができていないことが主な理由とある。

「取材前に完成している放送内容もある」
・取材前に、原稿・VTR構成・ナレーション原稿・インタビュー発言内容までもが出来上がっているディレクターがいた。
・効率的ではあるが、現場での新しい事実を盛り込むことなどなく、映像化のための撮影作業でしかないことになる。
★「何を伝えるか」より「いかに伝えるか」に熱心で、ニュース番組制作現場では、取材より「いかに見せるか」を重視する結果であると著者。

◎「専門記者を育てられないTV局」P99
・TV局に専門の政治部や経済部があり専門の記者がいるのに番組で解説するのは、他社の新聞社の解説委員が出演している。
・背景に、自社の記者に任せられない理由がある。今の民放TV局の人事制度ではひとつの分野に精通する記者を育てる土壌がない。



◆ チェックポイント ◆

◎「さらに新しい形態の【ネットニュース】」P143
既存メディアとの決定的な違いは、自らの取材、製作をすることなく、その責任も取らないこと。事実確認、事実検証をする過程が欠けている。
『何もニュースに貢献することなく、多くの収益を得る仕組みがインターネット上に出来上がっている。ソーシャルメディアは、人々の善意を結び付け、支援の輪を広げることができるが、深刻な社会問題などに対し、時間をかけ費用をかけた取材はできない』と著者が警鐘を鳴らす。



massmediamassmedia  気になる情報・知りたい情報   massmediamassmedia

昨年は未曽有の大震災があり、今なお関連するニュースが多い。しかし、このニュースの陰になり忘れられている災害がある。気になるものが2つ。

◆震災直前まで毎日のようにニュースになっていた
“霧島連山・新燃岳”の噴火活動

◆平成の台風災害としては最悪の被害をもたらした
“紀伊半島”の台風12号による被害

新燃岳は未だに活動中で観光関連が壊滅的
紀伊半島の復旧も未だ手つかずの地域がある。

ドラマ化され視聴率の稼げる報道の陰に、知りたいニュースがいくつもある。マスメディアから送られてくる報道だけ見ていると、思わぬ情報が抜け落ちていることに気付かされる。

半年、1年経過しニュース性が薄れると、web検索してもなかなか知りたい情報にたどりつけない。各マスメディアが横並びで同じようなニュースを配信することで、視聴者の視界が遮られていると思うのだが。



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テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

『日本人の誇り』凋落傾向にある日本。誇りを失ったことに根源があると指摘。経済・震災で苦境に喘ぐ日本が自信と誇りを取り戻すための歴史再考の書。

■日本人の誇り■


誇りをもつための再認識
 『文明の衝突』(サミュエル・ハンティントン)で世界の文明は7つ指摘される。
中華文明・ヒンドゥー文明・イスラム文明・日本文明・東方正教会文明(ロシアなど)・西欧文明・ラテンアメリカ文明。
日本文明が独立した日本だけのものであるという認識があるためで、この点を著者は強調する。

 過去の侵略戦争で中・韓・朝に負い目があると感じている弱腰の外交に対し
『現代の価値観で過去を断罪することはできないこと』
『人間も国家もその時点での価値観で生きるしかないこと』と指摘する。

 1853年、ペリーが浦賀へ来航して以後の100年戦争の末、日本は大敗北したが、
『白人のアジア侵略を止めただけでなく、帝国主義、植民地主義、人種差別に終止符を打つという偉業を成し遂げた』
大局的に見ると日本の大殊勲であると著者は評する。

 世代による戦後史観
 《現代知識人の戦後史観》
江戸時代:士農工商の身分制度に基づく封建制度下、自由・平等・人権がなく庶民は惨めな境遇
明治時代:帝国主義に基づき、富国強兵策と不平等条約のもと庶民は困窮
そのため「封建制度は“悪”という明治以降の欧米流歴史観を信奉し、これが侵略戦争へとつながった」という戦後史観に縛られる。

 《若者の戦後史観》
「歴史に否定的な考えをもつものが多く、戦後に自由平等と民主主義の社会を築くことができた」という歴史観をもつ。そして自国を卑下する傾向が強く、世界の統計的な価値観調査でも「自国を誇りに思う」日本の若者の数は最低に近い。

『日本の誇り』から日本の歴史を再認識し、誇りをもって将来に向かう糸口が見つかる。
経済活動の停滞、大震災、弱腰の外交など日本が現状から脱却するには、歴史を再認識し誇りをもって進むべきと説く著者の語りが熱い。



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価格:819円(税込、送料別)

藤原正彦(ふじわら・まさひこ)著
2011.04.20. 第1刷
文春新書 804


★★★☆☆ 難易度
★★★★★ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★★☆ 保存版
★★★★★ 編集、構成
★★★★★ 総合評価

 



◆ 感銘・共感・知見の一文 ◆

○「近隣国から歴史認識を問われる日本」P34
・中国・韓国・北朝鮮の3国は、事あるごと外交に【歴史認識】を持ち出せば日本が謝罪し優位に立てることを利用する。
・国家が謝罪するなど日本以外ではない。戦争で降伏し賠償を払っても謝罪という心情表現はしない。自国の立場を弱め、自国の誇りを傷つけ、祖先を否定し冒助Kすることになるからである。
★【近隣諸国条項】:「中国・韓国・北朝鮮3国を刺激させるような叙述をしない」教科書は歴史的客観性よりも事を荒立てないという滑稽な内容。

◎「1900年時点の世界は侵略を合法化していた」P175
・強国は当然のこと、弱国は仕方のないこととしていた時代がある。
★重要なこととして、
『現代の価値観で過去を断罪することはできないこと』
『人間も国家もその時点での価値観で生きるしかないこと』を指摘している。

○「100年戦争は日本にとって敗北か、殊勲か」P230
・1853年、ペリーが浦賀へ来航して以後の100年間の戦争の末、日本は大敗北となった。しかし、大局的に見ると日本の大殊勲であると著者は評している。ペリー来航以来日本が希求してきたものは
1.「独立自尊」を保つこと
2.「アジア主義」日本・朝鮮・中国が連帯して白人による支配を食い止めることであり、
(1)は最後の6.5年間アメリカの統治を受けたが、有史以来の「独立自尊」を保つことができた。
(2)は独力で達成した。それ以上に、日本が立ち向かう姿は、白人により食い物にされていたアジアを、白人への畏敬、恐怖から解放した歴史がある。
★1941年の独立国はアジアで、日本、タイ、ネパールの3国。アフリカで、エチオピア、リベリア、南ア連邦の3国しかなかったが、100年戦争の終る11年後には合わせて100カ国を超える。

◎「日本の敗北がもたらしたもの」P232
◆ 歴史家トインビーの歴史観
日本は第二次世界大戦において大東亜共栄圏の他国に恩恵をもたらした。
200年の長きにわたりアジア・アフリカを統治してきた西洋人は無敵で神のような存在と信じられていたが、そうではないことを日本人が証明した。まさに歴史的業績であった。
◆ クリストファー・ソーンの歴史観(イギリスの歴史学者、専門は太平洋戦争史)
日本は敗北したが、アジアにおける西欧帝国の終焉を早めた。当時西欧人にとっては衝撃的なものであったが、結果はヨーロッパ各国にとって利益と考えられるようになった。
◆ 著者の歴史観
白人のアジア侵略を止めただけでなく、帝国主義、植民地主義、人種差別に終止符を打つという偉業を成し遂げた。結果的には世界史に思いもよらない転機をもたらしたことになり、何百年に一度の快挙といえる。
★多くの犠牲者の魂もこの一点において慰められると著者は結ぶ。



◆ ポイントひろい読み BEST 3 ◆

○「主要国とは別の理由がある日本の不況」P11
・日本の不景気はリーマンショックや円高とは無関係。2008年のリーマンショックまでの8年間で主要国のGNPは毎年数%成長している中、日本だけがデフレ不況下にあった。日本の不況は日本固有の問題があり、リーマンショックや円高の後遺症ではない。
・現状では、財政赤字は世界一、GNPの低下、失業率は5%を超え、自殺者は13年連続して3万人を超えている。

○「中国にやられ放題の外交」P11
・日本領であることが明確な尖閣列島での領海侵犯に対して、検察判断での釈放、断固たる抗議もなされないままである。これでは今後中国がやりたい放題の行動を牽制することもできない。
・台湾の李登輝さんは『中国とは美人を見たら自分の妻だと主張する国』と称していることが紹介されている。

○「安保条約は欺瞞の条約と看破する著者」P14 
・「戦力を持たない」憲法下で軍事同盟を結ぼうという“滑稽”。日本に米軍基地さえ展開できれば良しとする“滑稽”が双方にあり、日米双方に“まやかし”があると著者の指摘。
・集団的自衛権では、、日米の駆逐艦が並走時に、日本艦が攻撃されれば米軍は助ける義務があるが、米艦が攻撃されても日本軍は憲法の拘束があり助ける行動に出られないことになる。
★自らの国の防衛を他国にすがる状況下では各国の侮りを受けるとともに卑屈な外交しか展開できない。この状況で国民は祖国への誇りを持ちえない。



◆ チェックポイント ◆

◎「日本人の価値観」P236
・戦前を否定する「東京裁判」により、日本は侵略国家と思いこまされたため、江戸期までに築き上げた素晴らしい文明があっても祖国への誇りを持つことができず、祖国へのアイデンティティーを喪失することになる。
・欧米人は「自由」「個人」を大事にすることに対し、日本人は「秩序」「和の精神」を尊重する。「自由」とは身勝手であり、「個人」を尊重すれば「秩序」「平和」が失われると認識しており、「個人」より「公」のために尽くすことが美しいと思う価値観があった。「徳」を求め穏やかな心で生きる平和な社会を美しいと思う価値観があった。
・自分一人が裕福でも周囲の人が貧しければ幸せを感じることができない。いまでもここに仏教の慈悲、武士道の精神が息づいている。

◎「日本人が誇りを回復するための筋道」P246
「東京裁判」を否定することで、百年戦争がもたらした世界史に残るほどの大殊勲を認識すること
憲法で他国に委ねられた国家の存続から脱却し、日本人のための憲法を制定すること
国を他国に守ってもらうという属国では「誇り」を持ちえない。自らの力で国を守る決意をすること
「以上3つが達成され、日本人の美意識と独立自尊を取り戻すことで初めて百年戦争の終結となる」と著者は結ぶ。



△▽□▼△ 「はじめに」に見る著者の人柄 △▼□▽△

今回も「はじめに」で著者の“つぶやき”が面白い。

「本書により、これまで隠しに隠してきた見識の低さが白日の下にさらされるのではないかと恐れています」
これに対し奥さんの励ましの言葉は
「大丈夫、あなたの見識や人格が高いとは誰一人思っていませんから」

既刊の『国家の品格』での「はじめに」での“つぶやき”を思い出す。
「品格なき筆者による品格ある国家論、という極めて珍しい書となりました」
どちらも冒頭で思わず“ニヤッ”とさせられ親しみを感じてしまう不思議な“数学者”である。




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テーマ : 書評
ジャンル : 本・雑誌

『地球システムの崩壊』右肩上がりの発展論は机上の空論、地球システムと調和的な【人間圏】を構築することはできない。存続はあと100年と警鐘を鳴らす一冊。

■地球システムの崩壊■


【地球システム】【人間圏】【普遍性】など重要なキーワードをもとに生命論、環境論を語る著者。
【宇宙論】【惑星学】を基本に、地球と人間の関わり方を検証する。

【地球システム】から現在の人間社会を俯瞰すると
『我々が繁栄を謳歌できるのは、地球システムの物質循環を速め人間圏への流入量を増やせるからで、これは時間の消費を速めていることに他ならない』
人間社会のすべての循環が自らの寿命を短くしている。右肩上がりの発展論の危うさを実感する。

【アストロバイオロジー】とは、文明の“普遍性”を宇宙に探る研究で、
『我々はどこから来てどこへ行くのか?』
『我々は宇宙で孤独な存在か?』
など是非知りたいが、知り得ないテーマを追い求める。

『インターネットの普及により【情報】は個人へ拡散し、国家・企業といった旧来の共同体の求心力が弱まる』 国家、企業などのあり方が問われる。社会崩壊の危機か?それとも新しいシステムの構築か?

現代社会において、これらの問をひとつひとつ検証していく必要がある。
また、一人ひとりの生き方が問われている時代であると痛感させられる。



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【送料無料】地球システムの崩壊

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価格:1,155円(税込、送料別)

松井孝典(まつい・たかふみ)著
2007.08.25. 
新潮選書




★★★☆☆ 難易度
★★★★★ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★★☆ 保存版
★★★★★ 編集、構成
★★★★★ 総合評価





◆ 感銘・共感・知見の一文 ◆

◎「【右肩上がり】で拡大した【人間圏】は終了した」 ★Keyword=【人間圏】P19
・【右肩上がり】信仰の慣性力は大きく、容易には方向転換できない。21世紀は、この矛盾により【人間圏】のシステムが崩壊する世紀になると思われる。
・【右肩上がり】の発展論は机上の空論であり、地球システムと調和的な【人間圏】を構築することはできない。本来構造改革とは、調和的な【人間圏】を構築するものでなければならない筈である。
★『人類は共同幻想のもとさまざまな共同体を構成し、それらをユニットとする【人間圏】の内部システムを構築し、それに依存して生きる高等知的生命体こそ現代人類なのだ。21世紀に答えははっきりする』と著者。

○【フロー依存型人間圏】【ストック依存型人間圏】P26
・指数関数的な【右肩上がり】を可能にした駆動力には
 【フロー依存型人間圏】:地球システムの駆動力に依存する段階
 【ストック依存型人間圏】:人間圏内部に駆動力をもつ段階に分けられる。
・現在の【人間圏】は欲望に応じ地球システムの物質循環を自在に利用している。
★『我々が繁栄を謳歌できるのは、地球システムの物質循環を速め人間圏への流入量を増やせるからで、これは時間の消費を速めていることに他ならない』
これまで同様【右肩上がり】の豊かさを求めれば【人間圏】の存続は100年ほどと警鐘を鳴らす。

◎「インターネットにより失われる求心力」P36
・インターネットの普及により【情報】は個人へ拡散し、国家・企業といった旧来の共同体の求心力が弱まる。共同体の求心力とは【情報】であり、これがインターネットで拡散すれば求心力を失うのは当然の成り行きである。
★著者はこれを【ビックバン】に例え【ビックバン】へ向かいつつあると分析する。
『すべての構造は破壊され、究極の構成粒子にまで分解される』



◆ ポイントひろい読み BEST 5 ◆

○「アポロ11号の月面着陸」P11
・1969年、人類史上初めて(地球生命として初めて)地球重力圏から脱出し月面着陸を果たした。これは地球史、生命史上特筆すべき出来事で、4億年前に生物が海から陸へ進出した事件に匹敵する。
★この哲学的な意味は、宇宙から地球を見ることで、地球が他の太陽系惑星の一つにすぎないこと、他の太陽系惑星と異なる天体であることを認識できた事件である。
★現代とは、我々の存在を宇宙から見て一つのシステムであることを認識できるようになった時代である。俯瞰的な視点により相対的、普遍的な視点を獲得したことで初めて『我々とは何か?どこから来てどこへ行くのか?』の問いに向き合うことができる時代である。

○「地球システムが変化した画期」P15
・システムとは、複数の構成要素が相互作用をする系であり【人間圏】が誕生し、物質・エネルギーに新たな流れができ【地球システム】が変化した。現代は地球史上でも画期といえる。
・この地球システムが変わった時期は、【狩猟採取】から【農耕牧畜】への転換期で1万年ほど前のこと。
【狩猟採取】:生物圏内部の物質、エネルギー循環を利用する生き方
【農耕牧畜】:地球システムの物質、エネルギー循環を利用する生き方で、この循環に擾乱をもたらすことになる。
★結果として、環境問題・食糧問題・人口問題・資源エネルギー問題が生じる。【人間圏】をつくる生き方に起因する文明の問題である。

◎【おばあさん仮説】P20
・進化生物学者の【長谷川眞理子】氏から紹介された仮説。現生人類だけに存在、他の類人猿、哺乳類には存在しない。
 おばあさんが存在すると
・お産が安全になり、子供の世話も楽になる
・次の出産までの間隔が短くなる
などが人口増加に直結したため、アフリカから世界各地に拡散したという仮説。

◎「地球の誕生は45億年前?46億年前?」P99
・どちらも正しい。【微惑星】の形成は46億年前から、現在の大きさになったのが45億年前、月と地球は同時に形成されたと考えられるため、月の最古の岩石が45億年前であることから地球の年齢は45億±1億年となる。
・地球上の最も古い岩石はカナダで発見された39.6億年前、一方最古の隕石の年齢は45.66億年(一度も溶けたことがない原始的な隕石)。これらの記録から、地球は、45.66~39.6億年前の間に誕生したことがわかる。

○「石垣島の【津波石】」P191
・津波で海底の巨大な石が海岸に打ち上げられ堆積した石。石垣島では300以上あるという。
1771年【明和八重山津波】により高さ30mもの津波が発生した記録が残る。
≪ここにも巨大津波があった!≫



◆ チェックポイント  BEST 3 ◆

◎「地球の歴史は【分化】の歴史」P113
・誕生時はマグマの海。その後冷える過程で様々な物質圏へと【分化】した。(冷却とともに【分化】する)今後は太陽光度の上昇に伴い地表温度も上昇、【地球システム】はこの上昇に応答し大気中の二酸化炭素を減らすことで地温の上昇を抑える。そして、5億年ほどすると、CO2濃度は現在の1/10に低下し、植物は光合成ができなくなる。結果として【生物圏】は消滅することになる。
・【人間圏】が拡大を続ければ地球環境問題などが深刻化して破綻すると考えられる。【地球システム】は【人間圏】以前の応答に戻る。
・CO2が1/10になると⇒地温上昇に対しCO2循環によるフィードバック作用が失われる⇒地温上昇⇒海の蒸散⇒水蒸気の温室効果⇒さらに地温上昇⇒そして暴走的に進行する(20億年後と推定)
・その後炭酸塩岩石中のCO2が放出されることで⇒原始地球同様にCO2が大気の主成分となる⇒金星のような灼熱化となる。

◎「【生物学】は宇宙で成立するか?」 ★Keyword=【アストロバイオロジー】P161
これを確認することが21世紀科学の目的。“普遍性”がキーワード。
 【比較惑星学】:地球の“普遍性”を宇宙に探る
 【アストロバイオロジー】:文明の“普遍性”を宇宙に探る。
   NASAが21世紀の科学として提唱する新しい学問で、10のテーマがある。
★『我々はどこから来てどこへ行くのか?』『我々は宇宙で孤独な存在か?』をテーマにする研究。

○「【物理学】の定数は説明不能」P162
物理定数がなぜこの値になるのか説明できない。その理由は物理学的に見つけられない。
・【万有引力定数=重力定数】【プランク定数】【アボガドロ数】などなど


◆◇◆◇◆ 読み慣れた語り口に浸る ◆◇◆◇◆

私の読むジャンルの本によく登場する著者が何人かいる。
一方的にではあるが、“お馴染”であり“気心知れた”著者となる。

言い回しや、表現の仕方、論の進め方などその人ならではの味があり世界がある。
こんな“お馴染”の著者の文に接すると、懐かしさや安心感があり、どことなく心地がいい。
そして、同じような内容の著作まで追い求めてしまうことにもなる。

しかし、しばらくして読み返すと細かいところは覚えがなく、新たな発見がある。
1年もすると、特に印象に残る項目と本の題名程度しか覚えていない。
まして、5年10年経てばすっかり忘れていることの方が多い。

こんな本の中に新鮮に読み返せる一文があると初回以上に感激したりする。
読み落としや、忘れている部分で見つかることも不思議な現象。

そんな著作は、このblog記事にしている。blog作成は読むよりも倍あるいは3倍時間がかかる。
当然細かなところ、気になるところ調べたり、web検索したり結構忙しい。
スペルチェックや校正も集中力がいる。

こんなことをしていると、数段深読みする結果となる。
これ一つの作戦で、自分用のサブノートあるいは備忘録といった効果がある。
とは言ってみたものの、いつまで記憶に残るものか?…

そうそうもう一つ効果がある。出先で自分のblogを呼び出せばどこでも確認できること。
これ結構役に立つ便利な手段。もち合わせの頭脳ではメモリー不足やフリーズが多発するための保険でもある。



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テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

『一年は、なぜ年々速くなるのか』難しくなりがちな仮説を分かりやすくまとめている。サイエンスライターならではの表現がいい。

■一年は、なぜ年々速くなるのか■


サイエンスライターによる『一年は、なぜ年々速くなるのか』。前回の著者は、実験心理学の准教授による『大人の時間はなぜ短いのか』。時間に対する視点の違い、アプローチの違いがそれぞれ面白く読める。
サイエンスライターの手によると、ナルホド読みやすく違った興味が湧いてくる。適当に脱線するところも、これまた意味のある寄り道で、著者の人柄さえ感じられ親しみやすいところがいい。

一年が年々速くなる理由について、物理、生物、脳科学、哲学といった側面から、仮説を提示し検証している。ともすると難しくなりがちな仮説を、平易にわかりやすくまとめているところもサイエンスライターならではの手腕。各章ごと、いつの間にか読み手も一緒に検証に参加してしまう構成が秀逸。

結論として、若者にはできない“年の功”の能力を生かすこと(少々慰めとも感じるが年相応の対処があるということか)
工夫次第で時間は速くも遅くもなること(意識のもちよう、認識のもちようで差が出てくる)
そして、時間に流されず、時間を捉えることができれば、人生は全く別のものとなると結ぶ。

『一年は、なぜ年々速くなるのか』 『大人の時間はなぜ短いのか』 二冊まとめて読んでみてはいかがでしょう。一味違った読み方ができそう。 どちらもお薦めです。


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一年は、なぜ年々速くなるのか

一年は、なぜ年々速くなるのか

価格:788円(税込、送料別)



竹内薫(たけうち・かおる)著
2008.11.15.第一刷
青春新書 PL218

★★☆☆☆ 難易度
★★★★☆ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★☆☆ 保存版
★★★★☆ 編集、構成
★★★★★ 総合評価

 

◆《感銘・共感・知見の一文》◆

◎「ヒトの意識は3秒ごとにリフレッシュされる」 ★Keyword=【反転図形】 P58

【ペッぺル仮説】
 『人間が感知できる一番短い時間は 3/100秒、一番長い時間は 3秒である』 

【短い時間】は、音と光の反応時間を測り、3/100,6/100,9/100と、3/100毎に反応が見られるという。
【長い時間】の方は、集中が持続する時間のこと。【反転図形】を例にナルホドの解説がわかりやすい。
まとまりを主観的につくるときの限界が 2.5^3秒 くらいであることが観察されるという。
3秒 は平均値で、若い人は 3秒 程度、お年寄りは 5秒 程度とばらつくらしい。
・外国などの喫茶店で、知らない言葉に耳を傾けると、3秒程度で発言が途切れる。
・有名な音楽のテーマは、ほぼ3秒間の長さになっている。

≪仮説≫
歳をとるにしたがい、“今”の持続時間が 3秒から 5秒へ間延びする。このため“今”が 3秒の若者と比べ時間が足りなくなる。 
★しかし、脳内メカニズムが解明されていない。



◆《ポイントひろい読み BEST 3》◆

○「GPS衛星の時間」P21
高度2万kmのGPS衛星は、時計の進み方に差が出ることが確かめられている。地上の時計とGPS衛星に搭載の時計の進み方の差は、相対性理論の予測値と一致するという。2つの時計はそれぞれ正確で、【相対性理論】通りの進み方をしていることになる。(こんなに身近なところで確認できるとは予想外)

○「生きものは【低いエントロピー】を摂り入れる」 ★Keyword=【低いエントロピー】 P32
生きものにとって、エントロピーが増大することは、乱雑さが増し死にいたることを意味する。このエントロピー増大の法則に抗(あらが)うため、エントロピーの低い食物を摂り、エントロピーの高い排泄をすることで、差引、体内のエントロピーを低く維持して生きている。

◎「スケーリング」P35 
 コンサートホール設計時につくるミニチュアのホールでは、音の波長もこれに合わせて変えることになる。
1/10のスケールでは音の波長も1/10、超高音での音響実験となる。
 時計の振り子は、振り子の重さや振れ幅が変わっても、往復時間は変わらない。
腕の長さが変わると、腕の長さの平方根に比例して間隔も変わる。(腕の長さが4倍になると、往復時間は√4=2倍になる)
★小さい時計は時を速く刻み、大きな時計はゆっくりと刻む。
★これが“時間のたちかた”とすると、子供と大人の時間感覚が違う方が自然である。

≪仮説≫
時間のたちかたは、身長の平方根に比例。子供の時の刻みは速く、大人の時の刻みは遅い。
★しかし、同じ大人で、中年以降一年一年速くなることの説明がつかない。



◆《チェックポイント》◆
ここは少し上級編、ひろい読み編が気に入ったら次はこちらで、チョット深読みしてはいかがでしょうか。

◎「時間は後から振り返った時間全体のこと」 ★Keyword=【ルーティンワーク】 P110
時間が速く流れるのを防ぐには、「変化に富んだ出来事」と「達成感」「充実感」が必要。習慣が時間感覚を麻痺させる原因であるにちがいない。新しい習慣や今までの習慣を変えることが、時間感覚を新鮮にする。この【習慣】は、現代風に【ルーティンワーク】と表現される。【ルーティンワーク】をして、同じような毎日を過ごせば、1年は速く過ぎ去るようになる。

≪仮説≫
・ 一年の体感時間は年齢に反比例する 【ダプソン仮説】
・ 加齢とともに、効率、達成率が下がり、時間に取り残される
・ 忙しく毎日がルーティンになり、体感時間が速くなる
・ 変化をつけて、充実感、達成感を上げることで時間を堪能できる
・ 記憶に残る手続きの積み重ねが、体感時間を決める



◎「【魔の山】仮説」 ★Keyword=【魔の山】(トーマス・マン) P158

≪仮説≫
『記憶に残るような出来事が減り、毎日が単調な繰り返しになるため』

単調な日々を繰り返すと、“旅”に出かけたくなることがある。記憶に残らない【ルーティンワーク】から逃れ、時間に取り残される状況から脱却し、充実した時間をもちたいと願うからではないだろうか。




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テーマ : オススメの本
ジャンル : 本・雑誌

『大人の時間はなぜ短いのか』人の知覚に潜む錯視を解説し“時間”のとらえ方のヒントを導く、お薦めの一冊。

■大人の時間はなぜ短いのか■

時間とは何だろうか―。

子供のころの一年と、大人になってからの一年とでは、ずいぶん長さが違って感じられる。
友人たちと過ごす楽しい時間はあっという間に流れ、退屈な会議はなかなか終わらない。
時計で測られる時間は一定でも、感じられる時間の長さが異なるケースは、数多くある。

物理的には同じ時間なのに、感じられる時間の長さは異なる。
本書は時間に関する本質的な地盤のようなものを提供し、その謎を解明することで、時間とうまく付き合うことが可能になるはず。と『まえがき』に著者の考えが記されている。

2章の「私たちは外界をどう知覚しているのか」では、錯覚、錯視の例を挙げて、いかに人の知覚がいい加減なものか解説している。「ヒトの知覚の特性を知ることの意味」として、人間自身を理解する上で大きな意味があり、生活を向上させ日常に潜む危険の対処にも有効な可能性がある。
錯視を調べ理解を深めることで、ヒトの知覚や認知の仕組を知ることの重要性を説いている。(P61)

人間は、物理的にあるがままのことを知覚したり、認識したりすると、多くの人が思いこんでいる。しかし、「物理的実在」は、私たちの体験から抽象された理念的なもので、実際に触れることができる対象とは異なる特性をもつ。様々な対象について、知覚がその対象の物理的特性から乖離することがある』(P180)

このあたりに潜むヒトの知覚を知ることで、 【時間評価】の見方が違ってくる。
「月の錯視」「知覚の遅れ」【聴覚刺激】は0.13秒、【視覚刺激】は0.17秒などなるほどの記事が多い。

「発熱していると、身体的代謝が激しく、普段に比べ時間はゆっくり進む」これも意外で面白い。『ゾウの時間ネズミの時間』を思い出す。身体的代謝により、心的時計の進み方が変わる。年齢、時間帯、感情状態により異なることは、心身の活性度が影響していると思われる。年をとるほど、時間が経つのが速くなる一つの要因は、加齢に伴う身体的代謝の低下。身体的代謝が要因とは考えつかなかった。

ヒトの“知覚”を知るとともに、“時間”のとらえ方を考えるヒントに富んだお薦めの一冊です。


★詳細はこちら↓



一川誠(いちかわ・まこと)著
2008.09.22.第一刷
集英社新書 0460G

★★★☆☆ 難易度
★★★★☆ 蘊蓄度
★★★★★ お勧め指数
★★★☆☆ 保存版
★★★★☆ 編集、構成
★★★★★ 総合評価

 

◆《感銘・共感・知見の一文》◆

◎【ジャネーの法則】 ★Keyword=【ジャネーの法則】 P14 

フランスの哲学者【ポール・ジャネー】と甥の心理学者【ピエール・ジャネー】の仮説。
『感じられる時間の長さは、年齢と反比例的な関係にある』 (1928年)
◆《要旨》
同じ一年でも、
10歳の子供にとっては人生の1/10、
60歳の大人にとっては1/60、
年齢に対する比が小さいほど、時間は短く感じられることから、高齢になるほど時間は短く感じられる。

★一見もっともらしく思えるが、いくつか問題がある。
・同じ年齢の人でも、年齢による時間の感じ方の変化が違う。
・同じ人でも、要因により感じられる時間の長さが違う。
★年齢が“感じられる時間の長さ”を決定する唯一の要因ではない。
【ジャネーの法則】は一般によく知られてはいるが、日常的な経験や直感に基づいた法則で、科学的な裏付けはない。

◎「時間の評価」 ★Keyword=【時間評価】 P117 
同じ1時間が、人によりあるいは同じ人でも、長く感じたり短く感じたりする。心理学で【時間評価】と呼ばれる。主な要因としては、身体の代謝、心的活性度、時間経過への注意、他の知覚様相などが挙げられるが、まだ完全にリストアップされているわけではない。
 身体的代謝
・身体的代謝により、心的時計の進み方が変わる。年齢、時間帯、感情状態により異なることは、心身の活性度が影響していると思われる。
・年をとるほど、時間が経つのが速くなる一つの要因は、加齢に伴う身体的代謝の低下。身体的代謝が低下すると、心的時計の進み方も遅くなる。時計の時間が心的時間よりも速く進むことになる。
・1日のうちでも、起床後は代謝が低下している。14時頃ピークとなり、徐々に低下し睡眠中も低下する。【時間評価】とも概ね対応している。
★発熱していると、身体的代謝が激しく、普段に比べ時間はゆっくり進む。
 時間経過に注意が向くほど時間が長く感じる
 広い空間は、時間を長く感じさせる。
 イベント数が多いほど時間が長く感じる。



◆《ポイントひろい読み BEST 3》◆

○【協定世界時】 ★Keyword=国際単位系【SI】 P26
時間の基準の世界協定。
1972年、セシウム原始時計の平均値に基づいている。現在、水素メザー型原子時計も加えて“世界時”が決められている。国際単位系【SI】の一秒の定義:セシウム133原子が、91億9263万1770回振動する時間。

◎「月の錯視」 ★Keyword=【視覚空間】 P55
地平線近くで大きく見え、天頂近くでは小さく見える。
ヒトの知覚特性として、【視覚空間】は扁平構造をしていることが知られる。(扁平な視覚空間の図があり分かりやすい)このため、垂直線は水平線より長く見える。
水平線近くの月も、天頂近くの月も、網膜上の視角は同一であるが、【視覚空間】においては地平線の方が遠く感じられ、視角が同じであれば、遠くにあるものの方が大きいことになる。
★このほかにも、月の錯視の要因はあり、いろいろな仮説が立てられている。有力な仮説もそれだけで説明できない現象も指摘されている。古くから知られているこの錯視についてさえ、充分な解明がされていない。
★こうした状況は、ヒトの特性について十分理解できていないことがあることを物語る。

◎「現代社会特有の3つの時間」P141

1.時間の厳格化
  誰もが同じ公共に時間に従い生活することを強いられている。
  100年前に比べ、公共の時間はより小刻みに規定され生活パターンの決定過程に入り込んでいる。
2.高速化
  100mを10秒で走ると、時速37km程度。肉体が到達可能な速度は、40km程度。
  ところが車、道路の高速化などで、自然環境下の進化では経験することのなかった速度で移動している。
3.均質化
  私たちが体験する時間は均質的ではなく、身体的状態や心的状態により長さが異なっている。しかし、人工的な光で、夜中でも活動できる。地球の自転周期に生活パターンを合わせる必要がなくなっている。
  農産物、水産物技術や流通により、季節に依存しなくなっていることは、季節や時期の特異点を失い均質化したことになる。


◆《チェックポイント BEST 3》◆
ここは少し上級編、ひろい読み編が気に入ったら次はこちらで、チョット深読みしてはいかがでしょうか。

◎「動物の知覚の特徴」P32
【トゲウオ】
オスの縄張りに、他のオスが入り込むと攻撃するが、攻撃行動を引き起こす視覚刺激は、下半分が赤い楕円形や棒状の形をしていればよいらしい。形状などのディテールではなく、腹部が赤いことで判断している。
【カエル】
例え餌でも、動いていないと視覚的処理の対象にはならない。
★動物の知覚による判断は、生存にかかわるようなことでもきわめて単純なルールによっていることが分かる。
では、ヒトの場合はどうだろうか?と著者は問いかけている。
◆ 【ヒト】 P46
【フレーザーの錯視】【ミューラー・リヤーの錯視】【ツェルナー錯視】などを例に、ヒトも実在とずれた知覚体験をしていることをとりあげている。
その生物にとって、
どのような構造的特徴が重要なのか、
どのような属性に対する知覚処理が可能なのか
★生物種により異なる知覚処理、【トゲウオ】や【カエル】と同様に、ヒトにおける知覚処理は、一定のルールに基づき実在から乖離している点で、同等であることに気がつく。

◎「知覚の遅れ」 ★Keyword=【反応時間】 P70
神経回路の長さ、伝達に関わる神経細胞の数が増えるほど、情報伝達時間がかかる。ヒトが感る音や光は、少し過去のもの、私たちの知覚は常に少し遅れていることになる。
【E.ペッぺル】は音や光を感じたらキーを押すという単純反応時間の測定をし、【聴覚刺激】は0.13秒、【視覚刺激】は0.17秒の平均値を得た。キー押しのための反応時間も含まれるが、【聴覚刺激】の方が【視覚刺激】よりも僅かに速いことが分かる。
★物理的には、光は音より遙かに速いが、知覚では音の知覚情報の方が早く処理されていることになる。

○「色覚」P78
3種類の視細胞(L・M・S錐体)により色彩を感じるが、単独のスペクトル光(575nm)で黄色の知覚が生じる。しかし、赤(≒700nm)緑(≒546nm)青(≒435nm)の光の組み合わせでも黄色の色彩を感じることができる。つまり、単独のスペクトルでも複数のスペクトルの組合わせでも、見かけの色彩は同じになる。
★単独のスペクトルと、複数のスペクトルで見える色を、見分けることはできない。




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Author:Dr.kusaichi
日頃より、身近な科学に興味があり、新書などいろいろ読み漁り、また読み耽っています。
そんな中から、選りすぐりのお薦め書籍をご紹介します。

植物の本、昆虫、小動物、菌類からウィルスまでいろいろ登場予定。
科学の本 身近で分かりやすく、肩の凝らない本が中心。
最近話題の本も登場、その他 私の勝手にいろいろ出てきそうです。
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樹に咲く花(離弁花 2)2版


◆【樹に咲く花】合弁花他③

樹に咲く花(合弁花・単子葉・裸子植物)改訂第3版


◆【野に咲く花】 
山渓ハンディ図鑑①


野に咲く花


◆【山に咲く花】 
山渓ハンディ図鑑②


山に咲く花4版


◆【高山に咲く花】 
山渓ハンディ図鑑⑧


高山に咲く花


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